こんばんわ
萌えログ管理人のらすくです。
今回は前回の黄金期を経て、陰りが見え始めた衰退期~過渡期について紹介したいと思います。
第3話 ギャルゲーの歴史 衰退期~過渡期(2001年~2010年)★今回はこの記事
2001年~2004年過渡期
前回の記事でもお伝えしましたが、1996年頃爆発的にギャルゲーが登場した際、良くも悪くも多くの作品が創出され、中には質の悪い作品も多く登場しました。
作品によってはクリアまでそれなりに時間を要し、育成シミュレーションと言うジャンルは徐々に敬遠されるようになり始めました。
そのため新規タイトルは減り、サクラ大戦やときめきメモリアルと言った鉄板タイトルの続編がしのぎを削っている状態となります。
また、エロゲー界隈でもシナリオゲーの流れが生まれ始め、エロゲーで人気を博すと性的描写を除外する形で家庭用に移植される構図ができあがっておりました。
Fateが登場したのもこの時期になるかと思います。
その逆パターンもあり、家庭用で発売されたギャルゲーを後にPCで18禁向けとして移植するケースも出てきました。
Keyの存在
この頃のKeyはKanon発売後、続編としてAIRを発売することで美少女ゲームでの頂点を極めた時期になります。
三作目であるCLANNADは品質を極めすぎた故に、延期を繰り返した結果、AIRから実に3年後の2004年に発売されました。
このKeyの存在は後の美少女ゲームの基盤を作ったと思っています。
いわゆるノベルゲーや紙芝居ゲームとも呼ばれていますが、基本キャラクター立ち絵をベースに文章を読み上げていき、たまに出てくる選択肢を選ぶことで進行する恋愛アドベンチャーゲームの礎を築きました。
共通パートを経て、ヒロインごとの個別ルートに入る鉄板テンプレートもこの辺りがベースになっているのではないでしょうか。
またCLANNADではアフターストーリーがあり、卒業後の物語として、就職、結婚に至るまでの過程にも力を入れており、当時CLANNADのことを「人生」と呼ばれているほど壮大な作品になっていました。
KeyはAIR辺りから壮大な作品を作るため、続編が中々発売されない問題にまで発展していますが、「泣きゲー」と言う新たなジャンル開拓をしたブランドではないかと思います。
アイテム課金の誕生
2005年にアーケードでバンダイナムコ(旧ナムコ)からアイドルマスターと呼ばれる育成シミュレーションが登場します。
2000年頃までときめきメモリアルシリーズでギャルゲーが全盛期を迎えている時期に、アーケードゲームに置いてもギャルゲーを出そうという流れで登場した作品になります。
当時としては珍しいリライタブルカードを利用し、セーブ機能を活用することで育成するというもので、アーケードならではの通信を使った競争をテーマにした作品になります。
その後2007年にXBOXで家庭用でも遊べるようになりました。
その際に、有料ダウンロードコンテンツ(DLC)なるものでオリジナル衣装やアクセサリを購入することで、自身が育てているキャラクターをより可愛くすることが出来て、このDLCがまぁまぁのお値段だったんですよね。
後に値下げされましたがスク水などフェチ向けの衣装も多数存在しました。
ニコニコ動画でも「とかちつくちて」の動画でアイドルマスターの知名度は一気にあがりましたよね。
このDLCは後にソシャゲの重課金のベースになりますが、この当時はDLCの売上が3億を突破し、世界第3位を記録して当時話題になりましたね。
萌えアニメ作品からPSPゲーム化の流れ
ギャルゲーは陰りが見えているこの時期ですが、萌えブームは96年代のギャルゲーの流れと相乗りする形でうなぎ昇りしている時期であったため、この当時は多くの萌えアニメが登場しました。
勿論、昔からアニメがゲーム化することが一般的でしたが、この時期はよりギャルゲーライク(ノベルゲー風)に作られていた形になります。
深夜枠を使い、視聴率によるマネタイズから、円盤を売ることで利益を取る手法に切り替わってきた時期でもあり、「涼宮ハルヒの憂鬱」「らき☆すた」「けいおん!」という多くの美少女系のアニメが登場しました。
そういったアニメのゲーム化としてPSPはよく利用されました。
映像品質や開発費用、購入層などから一番効率が良かったのかもしれません。
この時期発売された「涼宮ハルヒの憂鬱」や「とらドラ」は、アニメとは違うヒロインと結ばれるルートがあったりして、同人感っぽくて多くのファンを魅了しました。
ボテ腹エンドの流れを作ったのもこの時期では無いでしょうか。
ラブプラスの登場
久しく純粋なギャルゲーと呼ばれるものが世の中にあまり登場しなくなってきた矢先に、コナミから2009年にキラータイトルとも呼ばれる「ラブプラス」が発売されます。
今までのギャルゲーと異なり、憧れのヒロインとゴールを描くのではなく、ヒロインと結ばれたその後を主軸にするのが最大の特徴となります。
発売日からmixi日記では注目のキーワード1位を取り、産経新聞の紙面で記事になるなど大きな反響が得られました。
登場するヒロインは「文武両道な同級生のお嬢様」「年下のツンデレ」「おっとり系の年上」と言う、いわゆる王道系を取り揃えたものですが、声優陣は早見沙織さん、丹下桜さん、皆口裕子さんというレジェンドクラスを採用しており、学生というよりかは社会人をターゲットにした印象でした。
恐らくはかつてギャルゲーにハマっていた学生をターゲットにしたのかもしれません。
ラブプラスは当時各所で話題になったこともあり、元々ギャルゲーに興味がない層にもその名が知れ渡ることとなりました。
しかし、この後「ギャルゲー」という単語は次第に使われなくなっていくこととなります。
如何でしたでしょうか?
この頃は萌えブームが加熱するのとは裏腹に、1990年代の頃のような昔ながらの育成シミュレーションのギャルゲーは廃れていき、キラータイトルの続編がかろうじて生き長らえていたかと思います。
代わりに作品の傾向として立ち絵をベースに文章を読み上げていく、ローコストなノベルゲームが徐々にメインになって行った時期かと思います。
ノベルゲームと萌えアニメ作品は親和性が非常に高かったですね。
また同時に、大勢に売るスタイルからアイテム課金のように客単価を上げる方向性に変わっていった時期かと思います。
このように衰退し、新しい市場に切り替わる過渡期ということもあり、衰退期、過渡期と表現してみました。
ご清覧ありがとうございました。
第3話 ギャルゲーの歴史 衰退期~過渡期(2001年~2010年)