巷ではエロゲの色々な疑問があるかと思いますが、歴史を知る人からするとややニュアンスが違う形で解釈されているものであったり、業界人ですらきちんとした背景を知らない人が居たり、最近少し思うことがありエロゲの様々な疑問を解決しようと思います。
エロゲの日ってなんで月末金曜日なの?
12月はさすがに1週ズレているかと思いますが、概ねどの月も月末金曜日にエロゲの発売日が集中していますね。
エロゲはそもそも未成年は購入できず、基本ターゲットは社会人になるため、一般的な給料日である25日に合わせているからでほぼ間違いないと思います。
仮に大学生であってもアルバイトをしていると給料日が25日になるケースが多いでしょうからね。
元々、市場的に厳しい戦いを強いられているエロゲ業界としては、少しでもユーザーの財布が潤沢な時期を狙うため、自然とそうなったと思います。
ニコニコ動画で「新作エロゲを買いませんか?」系の動画のタグ内で「狙われた給料日」と言うタグがよく使われていましたよね。
ちなみに家庭用ゲーム機のソフトの場合、月末の総販売本数が多いというデータもあるそうです。
ただ、家庭用ゲームの場合は、月末よりもお正月やクリスマス前に何とか出すことに意識されている気がしますね。
最近通販や初回特典で事前予約するスタイルなのであまり関係なくなっているかもしれませんが、マスターアップ告知や予約開始日が給料日付近な印象があります。
エロゲの箱ってなんであんなにでかいの?
これですが、ググって見ると色々「これが理由なのでは?」みたいな感じで考察している記事が一杯出てきて楽しかったです。
どの記事も概ね間違っていなくて、ほぼ正解かなと言った感じが印象的でした。
またとあるVTuberとエロゲ会社に勤めている人の会話の中でも、「アレは単純にインフレ」「背景にエロ絵をガッツリ載せると目立って売れる!」みたいな感じで、かなり核心を付いた答えが出ていましたね。
しかし、どれも間違った回答では無いのですが、実は少しだけ解釈として足りないのです。
まず最初は小さかったけどどんどん大きくなったと言うのは誤りになります。
エロゲの箱は元々デカかったんです。
エロゲが登場し始めた時期は1980年頃で当時はPC-88というNEC製のパソコンで発売することが一般的でした。
当時は今のようにDVD-ROMなどは無く、フロッピーディスクから起動またはインストールする方式でした。
そのフロッピーディスクも5インチと呼ばれるミニフロッピーディスクになります。
5インチなのにミニなの?って思う方もいると思いますが、実は5インチの前に8インチフロッピーディスクがあるのです。
少し話は逸れますが、5インチフロッピーディスクは約15cmのサイズになります。
その結果エロゲのソフトの箱はどうしても大きくせざる得なかったのです。
そのため、エロゲの箱は元々デカかったんです。
その後3.5インチのフロッピーディスクになるものの、同時にエロゲの容量が大きくになるにつれて、フロッピーディスクの枚数も増えるため、中々サイズを小さくすることには至りませんでした。
そして1990年後半から徐々に登場したのがCD-ROMの登場でした。
これでやっとエロゲの箱のサイズを小さく出来る!という状況になり、実は何度かエロゲの箱は小さくなる試みが行われたのです。
しかし、箱を小さくすると何故か売れ行きが悪いという現象が各メーカーで起こるようになったのです。
勿論、作品の品質なのでは?という意見も否定は出来ないですが、まだインターネット人口が少数だった時代で情報収集も乏しい時代だったため、中身スカスカであったとしても箱を大きくするようになったのです。
そこから先は今インターネット上で飛び交っている考察通りかなと思っています。
最近では特典を詰め込むために、結果として大きくて助かっている一面もありますね。
不正ダウンロードって何故取り締まらないの?
昨年1月1日より著作権侵害コンテンツのダウンロード違法化が始まりましたね。
これでエロゲメーカーも違法ダウンロードの取り締まることが出来るね!っというのは実は難しいのです。
現在だと主に違法ダウンロードに使用されているソフトはBitTorrentとかでしょうか?
しかし、このBitTorrentと言うのは非常に厄介なソフトで、ダウンロードしている人も同時にアップロードしているため、仮に誰がアップロードしている人かが分かっていても被害金額の算出が大変難しいです。
そもそもBitTorrentは不特定多数に無限にアップロードするものではないため、一次放流者ならまだ被害額を算出しやすいですが、二次放流者になるともはや算出はほぼ不可能なのと、そもそも一次放流者が不明なまま二次放流者に損害を要求するのはおかしな話になってきます。
しかも前述までは誰がダウンロードしたかが分かったケースの話であって、そもそも誰がダウンロードしているかを探し出すのも非常に困難です。
P2P監視サービスとして「P2P FINDER」が、裁判でも有用と認められているため、確実に抑えることはできそうですが、利用料金が月額30万~60万と大変高額なため、資金力が乏しいエロゲメーカーが利用するには敷居が高いのが実情です。
最近では呪術廻戦で多くのプロバイダ開示の事例が発生していますが、あのように大手であれば確かに可能かもしれません。
あとは、ケ○エムプロデュースというAVメーカーが著作権違反という理由でプロバイダ開示請求をしていると5chでは騒がれていましたね。
ただ、SNSの方を見ると大して騒がれている感じでは無いので、恐らくは「I know」やポートスキャンとかでBitTorrentを利用しているIPアドレスを絞り込んで、片っ端から開示請求しているのかもしれませんね。
無作為に開示請求出していたら全く無関係のユーザー(正規ユーザー)に当たって損害を被るのはメーカー自身なので、ある程度後ろめたい人を狙い撃ちにしているのかと思います。
なので、もし該当の作品を違法ダウンロードしてしまっている人は、素直に開示に応じて示談金を払ったほうが良いでしょうね。
該当の作品をダウンロードしていない人は開示に応じる必要は無いですが、もし不正ダウンロードに使用している方は、これを機に違法ダウンロードを辞めたほうが良いでしょうね。
と、またまた話が逸れてしまいました。
知っているウンチクを一通り語りたくなる悪い癖です。
そういうわけで違法ダウンロードをする人を割り出すのは費用が高額過ぎるのと、仮に割り出したとしても少額な示談金しか得られないため、中々取り締まれないのが実情かと思います。
エロゲと家庭用で販売元が異なるのは?
これは家庭用ゲーム機を出しているメーカーによるので一概にも言えませんが、多くのメーカーが性描写があるアダルトゲームの制作を全面的に禁じているのが理由かと思います。
性描写に至らなくても下着や胸元の露出も含めた際どい描写も、割と厳しい規制がつきまとっていたりします。
家庭用ゲーム機に移植する際にはそういった描写を消して全年齢版になるから良いのでは?っと思う方もいらっしゃるかと思いますが、任天堂のケースではそもそもパソコン及び家庭用ゲーム機でのアダルトゲームの制作を行っているメーカーの参入や開発を一切認めていないのが現状になります。
そのため任天堂の規制・干渉を避けるため、社内カンパニーの実態でも本体と別にブランドや販社を立ち上げることで回避している形になります。
まぁ元々任天堂の旧経営陣は「ギャルゲー」と言うのを毛嫌いしており、ゲームの質を下げていると感じており、現体制においてもアダルト描写があるソフトメーカーの参入は禁じられております。
ソニーはソニーチェックと呼ばれる表現に厳しい独自規制を敷いており、任天堂に近しいイメージですね。
また原作と同一タイトルを認めないということで「ONE 〜輝く季節へ〜」を移植する際に、「輝く季節へ」に変更されておりましたね。
今はそこまで厳しいこともなく、むしろPSPでも中々際どいソフトも多く出ていたかと思います。
セガは独自の独自に規制基準を採用したり、NECは売れるならばソフトの内容を問わない姿勢でしたが、この2社はゲームハードからは撤退しちゃいましたね…
そういったこともあり、生き残っているゲームハードのメーカーは子供向けにも展開するため、アダルトな内容には過敏なのかもしれませんね。
如何でしたでしょうか?
他にもエロゲでこれどうしてこうなっているの?と言った疑問がある方は、コメント欄もしくはTwitterのりプ欄でおしえてくださいね。
ご清覧ありがとうございました。