こんばんわ
萌えログ管理人のらすくです。
先日、某VTuberの同棲疑惑から情報流出にまで発展し、引退(契約解除)にまで至った事件はありましたよね。
今や一般のアイドルと変わらぬほど、知名度や世間に与える影響度合いが大きくなってきたVTuberですが、こうしたインターネットを起点とする自己表現の環境が、どのような歴史を辿って登場してきたかと考えてみたことはありますでしょうか?
今回の記事はVTuberが誕生するまでの軌跡をインターネット普及時期から振り返ってみたいと思います。
尚、筆者はそこまでVTuberを追いかけているわけではないため、VTuberに関する知見や歴史はそこまで詳しくはないですが、少し俯瞰した目線からインターネットの自己表現における視点で語っていけたらと思います。
超忙しい人向けの3行記事
- 言葉の誕生は2016年にキズナアイが発した言葉
- 推しは推せる時に推せ
- 市場は悪くないが戦うのは難しい業界
VTuberとは
VTuberとはもはや言わずもがなではありますが、バーチャルYoutuber(英名:Virtual YouTuber)をVTuberと略された言葉になります。
モーションキャプチャ技術を用いてリアルタイムでCGのキャラクターを動かし、肉声または合成音声を用いて視聴者のコメントなどを、リアルタイムに人間味のあるリアクションを取りつつ発信していくものです。
今は手軽に始められることもあり、そのVTuber人口は拡大しており、VTuber向けの事務所も多く登場しており、アイドル並みの知名度に達しようとしています。
尚、言葉自体は初代VTuberであるキズナアイが2016年に初めてこの単語を発信したのがきっかけとなりますが、実はその存在自体の歴史は古く2011年に「Ami Yamamoto」氏が同じような技術でYoutubeに発信したのがきっかけになります。
またYoutuberでは無いですが、ウェザーニュース社が2014年にお天気番組「SOLiVE24」の一部のコーナーで「ウェザーロイド・アイリ」氏がこれまた同じような技術で発信していましたね。
VTuberの拡大
VTuberは2017年末から急激に拡大し、2021年10月時点では16,000人いるとも言われています。
2018年初めの時点で1,000人なので、昨今の伸び率が半端ないことが分かりますよね。
知名度ナンバーワンは何と言ってもキズナアイで登録者数298万人が圧倒的では無いかと思います。
後は、ガウル・グラ、戌神ころね、白上フブキ、輝夜月、兎田ぺこら、湊あくあ、桐生ココ、宝鐘マリン、赤井はあとと言った感じでしょうか。
ガウル・グラは1ヶ月で100万人(現在は349万人)を越えた化物ですよね・・・
やはりどんな業種もグローバルの時代ですね・・・
インターネットにおける自己表現の歴史
バーチャネルネットアイドル
読者の皆様の中に、バーチャルネットアイドルをご存じの方はいますでしょうか?
2001年~2003年頃に掛けて日本で流行したウェブサイトの一形態で、ウェブサイト上に架空のキャラクターを登場させ、あたかもそのキャラクターが語っているかのような運営するスタイルがありました。
VNIと略されることがあり、もとの発端は「侍魂」と呼ばれる個人運営のテキストサイトがベースとなっております。
「侍魂」はさすがに知っている人はあまり居ないかと思いますが、当時大学生の健氏(本名非公開)による文字の色や大きさを変えることで面白みやインパクトを出し、大きな注目を集めたサイトになります。
少し話が逸れましたが、このテキスト系サイトのブームに乗っかる形で、萌えキャラクターを表示した「バーチャネルネットアイドル ちゆ12歳」が2001年2月14日に誕生しました。
この「ちゆ12歳」が一躍有名になり、短期間でそのスタイルを真似た多くのバーチャネルネットアイドルが誕生しました。
また同時期にラグナロクオンラインというオンラインゲームが流行り、そのゲームの話題を扱うバーチャルネットアイドルも多く誕生し、その中でも「さやさや16歳」はVNIを当時のインターネット利用者に多く広めることとなります。
しかし、VNIのブームは短命で「ちゆ12歳」の書籍が出版された2003年後半には一気に衰退していくこととなります。
ニコニコ動画
2006年になるとニワンゴ(現:ドワンゴ)から実験サービスとして始まったニコニコ動画が始まります。
2005年に始まったYoutubeと同じく、いわゆる動画共有サイトとして始まったこのサービスですが、当時はYoutubeの動画をサイト内に表示し、レイヤー手法で動画の上にコメントを横から流すスタイルが一緒に見ている感を演出し、爆発的な人気を生み出しました。
(後にYoutubeから弾かれるようになり、自前で動画サーバを立てることになりましたが笑)
ニコニコ動画誕生辺りから「歌ってみた」といった、ニコニコ動画上に自分の歌をアップする若者が多く登場し始めました。
更に2007年に初音ミクで有名なボーカロイドが登場し、多くのアマチュアシンガーが誕生します。
今メジャーで活躍する歌手の中にはニコニコ動画の歌い手出身の方も多数いらっしゃいますよね。
自由に匿名でコメントできることもあり、当初は話題になり絶賛するコメントも多かったですが、人気が高まれば同時にアンチも多く誕生し、コメント欄が荒れることも多々発生しました。
後に「自演発覚祭り」が何度か発生し、炎上騒動も発生しましたね。
そして同時期にはニコニコ生放送が始まり、多くの「ニコ生主」と呼ばれる人が誕生しましたね。
昔は、小学生がブルマ姿で登場したり、踊ってみたで乳首を晒してしまった人やまぁ今のVTuberと違って治安はあまりよろしくなかったですね。
事件化したものもありましたしね。
しかしながら2013年頃からそういったブームは落ち着いていたかと思います。
バーチャルユーチューバー
VTuberを語る前にまずはYoutuberについて説明したいと思います。
Youtuberは元々2007年5月頃に閲覧数が多いユーザーへ「YouTubeパートナープログラム」への参加を勧誘したことが始まりとされており、2011年4月には一般ユーザーにも開放したのがきっかけとなります。
日本では当初ニコニコ動画のほうが多くの人に利用されておりましたが、徐々に人気に陰りが見えると同時にYoutubeへの関心が高まるようになり、日本でも多くのYoutuberが誕生するようになりました。
そして2016年12月に皆がよく知るキズナアイがYoutuber活動を名乗り上げる際に、初めてバーチャルユーチューバーと言う名称が使われることとなります。
このVTuberが国内で一気に人気が高まり、ニコニコ動画で活躍していたニコ生主も次々と転生していったかと思います。
こ○ね氏やぺ○ら氏やマ○ン氏も元々はニコ生主だったりしますね。
こうして今インターネットの自己表現の場は、VTuberやYoutuberになっていった感じになりますね。
VTuberの魅力
やはり一番の魅力は、今までは二次元のキャラクターは決められたシナリオに沿って動いていたのが、リアルタイムにユーザーの意見を取り入れて発信していく「リアルティ」と「創作」の良いところ取りな点ではないでしょうか?
また、元々日本は萌えの文化があり、更にメディアの情報収集源がテレビからYoutubeになっていき、バーチャルYoutuberと言うのはそういう意味ですごく親和性が高かったと思います。
芸能人のように何かと不倫や不祥事と言ったスキャンダルで幻滅させられることが多い中、バーチャルYoutuberは原則中の人が分からないため、そういったスキャンダルも少なく夢を見させてくれるところも大きいかと思います。
ただ、こちらに関しては先日のるしあ氏の件であったり、声優もだんだんスキャンダルとして取り上げられることが増えてきたので、この辺りは垣根が無くなっていきそうな気がしますね。
また実際のアイドルと違い、インターネットで活動するアイドルはメンタルが弱い特性があったり、顔出ししていないが故に何かあった時にすぐにフェードアウト出来てしまうため、突如消える可能性が非常に高いです。
そのため、いつ消えてもおかしくない儚い存在でもあるので「推しは推せる時に推せ」ですね。
VTuberの今後
VTuberは日本だけで大流行しているわけではなく、実は海外でも評価され始めています。
ただ、日本だけ特別なのが「投げ銭」の文化ですね。
この投げ銭の金額だけは日本は突出して高く、2日で1億に達する場合があります。
先日のランキングでも不知火フレア氏が週間スパチャ額を423万以上叩き出したり、潤羽るしあ氏は2021年のスパチャ額が1億9400万と世界1位を叩き出すなど、世界的に見ても特別高いです。
日本は島国の影響なのか、ガラバゴス化しがちですよね。
日本だけYahooが成功したり、ガラケーが特別高機能になったりと。
少し話が逸れましたが、冒頭でも説明しましたが参入の敷居の低さから膨大なVTuberが増えているため、この界隈で成功するのは非常に難しいですが、市場的にはまだまだ価値があると思っています。
しかし、昨今はイラストであったり、企業であれば声優の出演料、動画撮影・編集と言ったコストが意外と高いのも事実です。
当初は新人声優を活用し小銭を稼いでいた声優事務所も、想定外にVTuberで人気が出ると出演料を上乗せ…と言う形でVTuber事務所と折り合いが付かず、卒業という形で終了するケースもあります。
本来、あまりスキャンダル的なリスクが無いと思われていましたが、アイドル化するとそうもいかなくなり、VTuberの個人のSNSによる炎上のリスクなど問題は山積みです。
個人で始めるにしても趣味の範疇であれば問題ありませんが、今や企業が膨大な資金で宣伝し注目を集めるため、個人でプロモーションをし、マネタイズ化させるのはかなりの知識、経験、才能が無いとかなり難しいです。
ちなみに当ブログでは「VTuber 電マ」で検索して訪れる人が多々見受けられますが、そういったアダルト路線であったり、特定の技術や能力を活かしたニッチな層を狙うのは、大規模は売上は見込めないものの、一定数の利益は得られるかと思います。
大分話が長くなりましたが、市場価値はあるものの、成功を収めるにはかなりのノウハウが無いと厳しいと言った感じでしょうか。
如何でしたでしょうか?
表で活動するのが苦手で奥手な人にとって、インターネットでの活動は新たな自己表現の場として活用されたかと思います。
今までリアルではメディアによって支配されていましたが、インターネットはある意味平等に評価される世界かと思っています。
今後どのように進化していくのが楽しみですね。
ご清覧ありがとうございました。