本ブログでは「萌え」をテーマとして扱っているため、一般的な抱き枕ではなく、アニメやゲーム(主にエロゲー)のキャラクターの等身大がプリントされているオタクグッズとしての抱き枕として説明したいと思います。
抱き枕とは
抱き枕とは頭の下に敷く枕ではなく、抱くように使用する大型の枕のことを指します。
アニメやゲーム(主にエロゲー)のキャラクターが等身大にプリントされており、表面は健全?なイラストで裏面が着衣が乱れたアダルトなイラストになっているのが半ばお約束的な感じになっています。
多くが男性向けの女性キャラクターが大半を締めますが、最近では女性向けの男性キャラクターが描かれた抱き枕も徐々に増えてきています。
価格帯は非常に高額ではありますが、オタク層に支持されており、コミケや店舗特典など多くの種類が出回っています。
枕の歴史
さて、抱き枕の歴史を語る前に「枕」の歴史について語ってみたいと思います。
「枕」の歴史はかなり古く、期限は古代のメソポタミア、バビロニア、アッシリア、フェニキア時代とも言われています。
更にそれ以前に遡るとアウストラロピテクスの頭蓋骨の下に人為的に砕かれた石が敷かれているのが発見されており、祭事で使われたのか寝具として使われたのではないかと言われています。
日本では古墳時代に被葬者に対して、埴製・石製・琥珀製などの多様な材質の枕を用いた歴史があります。
ちなみに動物も実は枕を使う習性があり、ライオンは仲間同士で重なり合うことでお互いを枕にしますし、キリンは熟睡をすると自分のお尻を枕にしますし、象は草木を集めて簡易枕を作るなど本格的です。
抱き枕の歴史
抱き枕の歴史は古く、世界で初めて抱き枕を使用されたのは中国の唐の時代に遡ります。
当時は睡眠時の清潔感を得ることを目的として使用されていたようです。
一方、日本における抱き枕の歴史は実はそんなに古くなく、寝具製造卸・小売会社のロフテー株式会社が1996年に初めて商品化されたものになります。
発売当初は体への負担を軽くする枕として注目されましたね。
オタク向けの抱き枕の歴史
オタク向けの抱き枕の起源は、1997年にチャンコ増田氏(本名:増田学)が運営する同人サークル「江戸主水のお店」で販売したのがきっかけとなります。
彼は欲しい物を作るという熱い情熱の持ち主で、当時(90年代)アニメブームに乗っかる形で抱き枕を僅か3時間で200万円売るという素晴らしい実績を生み出しました。
これにビジネスチャンスを感じたチャンコ増田氏は、2002年に等身大抱き枕販売を事業化するために(酔った勢いで)テレビ番組「マネーの虎」に出演し、1000万円の出資を募る活動に出ました。
結果は残念ながらマネーは成立せず、一部の経営者は不快感を露わにしながら痛烈に批判しておりました。
偏見を持たないと言っていた経営者もどこか色眼鏡を掛けている印象はありましたね…
しかし、この4年後、2006年には抱き枕は大ブームを迎え、オタクグッズのド定番にまで成長しました。
オタク向けの抱き枕の起源
オタク向けの抱き枕の最初は、前述に示したチャンコ増田氏が代表で務める同人サークル「江戸主水のお店」から販売された、「ToHeart」というアダルトゲームのキャラクターの「マルチ」が最初になります。
今ではかなり入手困難な一品になりますね。
偽物(海賊版)の氾濫
オタク向けの抱き枕を語る上で無視できないのが海賊版の抱き枕になります。
抱き枕はそもそもが高額と言うのと、あまり在庫を抱えられない特性があるため、期間限定の販売であったり、何かの販売特典という形が非常に多いです。
特に同人サークルとなるとコミケなどのタイミングのみで販売されることが一般的です。
このように高額が理由であったり、期間限定が故に後からファンになった人が購入できない現実があります。
そこに目をつけたのが主に海外の悪質な業者がキャラクターを模倣し、質の悪い抱き枕を低価格で販売するケースがかなり増えています。
勿論抱き枕だけでなくタペストリーと言った別のグッズでもそういうケースがありますが、本記事は抱き枕をテーマにしているので、抱き枕に焦点を絞って語りたいと思います。
偽物(海賊版)見分け方
品質
まず一番見分けるポイントとして大事なのが生地の品質になります。
オリジナルの抱き枕は主に「ライクトロン」という生地をがよく使われています。
一方海賊版の抱き枕は主に「2wayトリコット」という生地がほとんどかと思います。
(注意:公式が「2wayトリコット」を採用する場合もあるのでお気をつけを)
昔は「ライクトロン」は「AJ2wayトリコット」と呼ばれており、「2wayトリコット」は「ピースチキン」と言う名前だったのですが、海賊版が「AJ2wayトリコット」を真似て「2wayトリコット」と記載するようになり、多くの人が「2wayトリコット=AJ2wayトリコット」と勘違いし、正規品と思い込んで購入することがきっかけとなり、「ライクトロン」という名前に変更した経緯があるようです。
更に品質が記載されているタグに製造元である会社名を判別すると良いですね。
有名所で言えば株式会社エイアンドジェイであれば安心感は大きいです。
ここが未記入であったり、存在しないもしくは胡散臭い会社である場合は危険が大きいです。
価格
海賊版の抱き枕は兎に角尋常じゃないほど安いです。
一般的に正規品の抱き枕は1万~1万5千ぐらいで販売されていることが多いですが、海賊版は2000円~5000円ぐらいで販売されております。
ヤフオクなどでは1円スタートで販売されたりもしますね。
中には強気の7千円ほどで海賊版が販売されることがありますが、その場合、実物の商品画像を載せていないことがあります。
イラストの質
海賊版の抱き枕のイラストはよく見ると線画が荒かったり、彩色のツヤがオリジナルに比べて少し雑なケースが多いです。
恐らくはオリジナルのイラストをどこかから手に入れて、高解像度にあげるソフトに掛けていたり、最近は減りましたが、雑な海外の業者だと格安でイラストレーターに模倣絵を描かせているケースもあります。
(昔Amazonに大量に溢れていたんですが、今は削除されていましたね)
また、必ずしも当てはまるとは限りませんが、海賊版は正規品に比べてサイズが小さいケースが多いです。
偽物(海賊版)無くならない理由
法的な問題を話してしまえば著作権侵害になりますが、ここでは無くならない理由について考察したいと思います。
一番の理由は買う人がいるからですね。
前述でもお話しましたが高額故に買えない人や、後からファンになった人が売られていなくて買えないケースが多いからだと思います。
勿論フリマなどで正規品が出品されることがありますが、その場合はプレミア価格になって元々高額な商品が更に値上がっている場合がほとんどになります。
最近の海賊版の傾向としては顧客を騙すというよりかは、最初から堂々と海賊版として売っているようにも思えます。
なので前述で説明したとおり「生地の素材」も堂々と記載しており、購入後騙されたというよりかは、質は劣るけどこれで我慢しようという顧客が増えたのでは無いかと思います。
色々思う所はあるかと思いますが、やはり海賊版は購入を控えたほうが良いかと思います。
中には質がまぁまぁのものがあり、価格相応と感じるかと思いますが、一定数誤って購入する人もいますし、何よりそういうズルが横行するとクリエイターのやる気が削がれて長い目線で見てもあまり良くないと思っています。
抱き枕の魅力
そもそもの抱き枕としての効能はさておきとして、やはりオタク向けの抱き枕の一番の魅力は等身大キャラが目の前にいることによるかと思います。
あたかもそこに推しのキャラクターがいるような錯覚を覚えるのと、それを抱きしめた時の抱き心地が相乗効果となり人々の心に安らぎを与えるのかと思います。
また、裸体を晒し、扇情的な表情で情欲を唆るような抱き枕は、性的な欲求を満たすためかと思います。
この辺りの利用用途は人それぞれの価値観によって異なるかと思いますが、本来抱き枕とは抱いて寝ることで体の負荷が軽減され、腰痛・肩こり・膝の痛みを緩和する効果があるので、そういった肉体的なケアと精神的な満足度が高まるのが抱き枕の魅力では無いでしょうか。
今後の抱き枕
かつては抱き枕なんて…と購入者は日陰者として見られることもありましたが、徐々に理解が深まっている気がしています。
中には抱き枕は少し抵抗が…という方もいるかと思います。
筆者も抱き枕は利用しないのですが、布タペストリー的な感覚で楽しんでいます。
家庭を持っている人は中々購入を躊躇うかもしれませんね笑
最近では国内だけでなく海外からも支持されており、今後も安定して成長が見込まれると予想しています。
5年ほど前に「モンスター娘のいる日常」に登場するミーアの等身大(約7m)の抱き枕(むしろ巻き枕?)が、価格10万にも関わらず30分で完売したのは当時皆が驚いたかと思います。
抱き枕に魅了された猛者たちはお金を出し惜しみすること無く購入していくので、これからも市場は拡大していくのでは無いでしょうか。
如何でしたでしょうか。
海賊版の販売経路としてよくヤフオクが槍玉に挙げられますが、残念ながらメルカリやラクマといった別のフリマでも販売されており、一般の中古の通販ショップですらも販売されているのが現状になります。
しかし、これもまた抱き枕の人気の高さを象徴しているのかもしれませんね。
皆様はどの作品の抱き枕カバーがお好きですか?
良かったらコメント欄もしくは、Twitterのリプ欄で教えて下さいね。
ご清覧ありがとうございました。