こんばんわ
萌えログ管理人のらすくです。
本当は昨年「
男の娘」の記事を書いた際、次は本テーマの記事を書く予定だったのですが、当時「
#初エロゲー教えて」というハッシュタグが話題になってその記事を差し込み、その次はちょうどハミダシクリエイティブをプレイ中でひよりんから妹ネタが書きたい!という事で
妹ネタ(シリーズ物)を書いていたらすっかりお蔵入りしてしまった不遇の記事を発掘してきました。
今回は本当は女性なんだけど男性として振る舞う男装女子について記事にしてみました。
CAUTION!!
男装テーマは傾向として作品のネタバレに繋がるケースが多いため、本記事もネタバレを含む部分があります。
そのため、記事を閲覧する際はご注意ください。
超忙しい人向けの3行記事
- 定義としてトランスジェンダーとは少しズレる
- 殆どが何らかの理由で男装している
- 男の娘にポジションを奪われた
男装女子とは
女性が男性の衣服や装飾品を着用することで男性っぽく振る舞う、もしくはなりきることを指します。
男装の歴史は古く、西洋では「ウィリアム・シェイクスピア」の「十二夜」であったり、日本では平安時代の白拍子であったり、もっと言うと神話時代や宗教的な意味合いで帯びたものなど、歴史はかなり古いものとなります。
その他、宝塚歌劇団では男役であったり、昨今では男装を職業としている男装カフェ・バーも存在しております。
呼び方について
「男の娘」と言う言葉が誕生した際に、その対義語について語られたことがありました。
そのときに登場したのが「雄んなの子」でした。
たまに「娚の子」と言う言葉で呼ぶ人もいますが、Twitterのハッシュタグを見ると「雄んなの子」が大分ポピュラーな言葉になったのではないかと思います。
(とは言えまだまだ「男装女子」の方が一般的かと思います)
類義語としては「おとこ女」「おんな漢」「女の息子」「イケメン女子」「イケ女ン」「だが女だ」「reverse_trap」(海外発祥)があるかと思います。
微妙に今回取り扱うテーマと意味合いが異なる単語もありますが、まぁその辺りの詳しい事は機会があったら説明します。
男装女子の定義
よく勘違いされるのがトランスジェンダーと言った性同一性障害で男装しているケースについては男装女子の定義からはズレてくると思います。
あくまでも「心は女性」で何らかの理由で男性として振る舞っているのが男装女子の定義になるかと思います。
勿論、人によってはボーイッシュであればOKであったり、ファッションとして動きやすい服装が男性っぽく見えていればOKであったり、見た目や性格が男っぽすぎて女の子に見えないケースでもOKなど、解釈に微妙なズレはあるかと思います。
男装女子の一人称
一般的には「わたし」と使うケースがとても多いですが、「萌え」を意識した作品であると「僕」「ボク」と呼ばれる所謂「ボクっ子」もとても多いです。
「BASARA」に出てくる更紗は「タタラ」の時は「わたし」であったり、「更紗」の時は「あたし」と一人称と使い分けているケースもあります。
あとは強気なキャラだと稀に「俺」と言う場合もあったり、作品内で「僕」と「私」で迷子になっているキャラクターもいたりしますね。
男装女子の種類は?
創作物における男装女子の種類をまとめてみました。
尚、冒頭でも説明しましたがトランスジェンダー系であったり、物語のストーリー上でイベント(例えば文化祭等)で一時的に男装するパターンは除外したいと思います。
隠している系
分類分けしてみたと言いつつも、実は創作物における男装女子は99%はほぼこれに当てはまると思います。
所謂理由があって男装をしているケースになりますね。
バックグランドは多種多様ですが、跡取りとなる子供が男で無ければ!という親の勝手な都合で男として育てられたり、仇討ちがきっかけで男として振る舞っていたり、兄弟と入れ替わる目的で男装したり、中には花瓶を割ってしまって賠償目的で男装しているケースもありましたね。
見た目系
性別詐称するつもりは一切なく、単純に男装しているため、容姿がきっかけで男性と間違えられたり、演劇などの目的で男装しているケースです。
あいまい系
敢えてぼかす事で百合好きな女性をターゲットにしたキャラクター設定ですね。
あまり男性向けの作品では見かけませんが、女性向けの作品では比較的多いのでは無いでしょうか。
性格系
男の心を持っているわけではないが、女の子に縛られたくない系だったり、後はあまりに性格がガサツ過ぎるため男扱いされてしまうパターンですね。
男装女子の先駆者は
創作物に於ける最初の男装キャラクターは1953年の手塚治虫氏による「リボンの騎士」に登場する「サファイア」が先駆者としては近しいかと思います。
当時手塚治虫が宝塚歌劇団の「淡島千景」をモデルにしたと言われている作品ですね。
ただ、本作品は正確には「男の心」と「女の心」両方を持っているため、今で言うLGBTQに近いものになるかと思います。
そうなってくると次に出てくるのが1972年に「ベルサイユのばら」に出てくる「オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ」辺りになるのではないでしょうか。
もう少し時代が進むと1978年の高橋留美子氏による「うる星やつら」に出てくる「藤波竜之介」も男装キャラクターに近しいと思います。
1987年にはNHKのアニメで「アニメ三銃士」に登場してくる「アラミス」が女性として判明した際は、視聴者に驚きを与えていたかと思います。
萌えのジャンルとして扱われだした時期は?
やはり1990年代からではないでしょうか。
この時期は丁度家庭用ゲーム機で「ギャルゲー」と呼ばれるジャンルが登場し始めて、途端に男装キャラクターは増えていったかと思います。
1992年には天外魔境Ⅱで「船海宮義経」が登場し、同年格闘ゲームの「龍虎の拳」では「キング」が最初男性として登場するもKOされると衣服が破けて女性と判明してしまうのに驚いたプレイヤーも多いのでは無いでしょうか。
1994年になると所謂初の「恋愛シミュレーションゲーム」と言われる「ときめきメモリアル」では「伊集院レイ」がキザで嫌味な男性キャラクターとして登場するものの、実はこの子が攻略対象で女性であることが判明してしまうものですね。
(攻略するためにひたすら電話した方も居るのではないでしょうか?)
1995年には「ウィザーズハーモニー」で出てくる「セシル・ライト」が当初男性として仲間入りするものの、終盤のイベントで女性と発覚するシーンは多くのプレイヤーに衝撃を与えたかと思います。
1997年頃になるとアダルトゲームでも男装キャラクターは採用初めて、「Piaキャロットへようこそ!!2」に登場する「神楽坂潤」は比較的有名では無いでしょうか。
男装ジャンルのネタ
WikiPediaで「男装作品 小ネタ」が削除された
理由は「過剰な細分化」だったのですが、熱心なファンはきっと作りたかったんでしょうね。
需要あるのか分からないガチムチ系女子
男装とは少しズレますが、1999年に「May-Be SOFT」から「Theガッツ!」と呼ばれる、工事現場で働く鍛え抜かれたマッチョの女性のエロゲーが発売されました。
なんだかんだで6作品続編が出ているので需要あるんでしょうね…
男装設定忘れていない?
本当は男装という設定だったのですが、気が付いたらセクシーなシーンは登場するわ、BD/DVDの円盤では乳首が解禁されるなど、もう男装設定であることを視聴者に忘れさせた作品もありましたね。
男装女子の魅力とは
やはりこれは「男の娘」同様「ギャップ萌え」が大きいかと思いますが、「男の娘」とは異なり「男装女子」はどちらかと言うと物語のスパイスとして使われることが多いような気がします。
序盤からバラしているパターンだったり、最終局面で視聴者含めてドッキリという形でバラしたり、読者には最初から設定をバラしつつ物語に登場するキャラクターにいかにバレないようにするかなど、そういったハラハラ感を出すための演出で利用されることが多い気がします。
ギャルゲー登場期の1990年にテーマとしてはかなり好調な滑り出しをした「男装女子」ですが、同じギャップ萌えとしての「男の娘」に完全に持っていかれた感は否めませんね…
おかしい…男装女子の方は肉体は女性なのに…
萌えに置いて、カッコよさより如何に萌えるかであって、付いている付いていないはあまり関係ないのかもしれませんね。
(むしろ付いている方が良いのか…?)
如何でしたでしょうか。
そこまで大人気と呼ばれるジャンルではないですが、好きな人はトコトン熱を持って好きになるジャンルである、男装女子について語ってみました。
男性よりどちらかと言うと女性の方に支持されているかもしれませんが、元々は「男の娘」よりも登場する機会が多かったテーマの男装女子ですが、皆様は男装女子と言えばどのキャラクターを想像しますか?
良かったらコメント欄やTwitterのりプ欄で教えてもらえれば幸いです。
ご清覧ありがとうございました。