すみません、もう古い作品なので、ある程度当時を思い返す意味でも、さすがにネタバレを一切触れずに語るのは難しく、一応核心には迫らないようには気をつけますが、まだプレイ前の方はお気をつけください。
同級生とは
同級生は1992年12月にエルフから発売された18禁恋愛アドベンチャーです。
そう、この「恋愛アドベンチャー」と言うのは実は後付なんです。
クリエイターも仰ってますが、後に購入者アンケートで気付かされたようですね。
PC98で発売されましたが、本作品は後に10万本を超えるベストセラーとなり、多くの機種に移植されることとなりました。
(当時のアダルトゲームの販売本数は一般的に5000本ほどであった)
本作品から一気に知名度とアダルトゲームの認知拡大に繋がり、一時期のエルフはスクエニの売上にも並ぶと言われるほど急成長するきっかけとなりました。
ゲームシステム
ゲームシステムは町中をひたすら歩いてゲームを進めていき、更には時間という概念がある当時としては珍しいシステムでした。
建物に入ったりイベントで時間が経過し、キャラクターとのエンカウントは特定の時間帯にならないと発生しないため、今の紙芝居ゲームと異なり、実際にその世界で行動しているような感覚を演出しておりました。
イベントシーンではマウスを使ってあちこち調べたり、モブキャラクターをクリックしたり、登場人物との会話は蛭田氏の独特なセンスで楽しませてくれます。
ゲームの特徴
ゲームシステムと被りますが、あちこち街を歩いてナンパしていくゲームとなります。
本作品は多くのヒロインが登場するのですが、昨今の美少女ゲームのように男性と付き合ったことすらないんです的な処女前提ではなく、人妻もいれば、にっくきハンサムキャラの彼女を寝取ったり、親友の彼女を寝取ったり、水商売の女性を口説いたり、これぞ90年代のエロゲーと言ったゲームになります。
また美少女ゲームと異なり複数同時攻略も可能だったりします。
ただし、Aを攻略するとBは攻略できないという制約はあります。
(え?このキャラの組み合わせも?みたいなのもいましたね)
当時の演出
当時のPCスペックからすると昨今の紙芝居ゲームでありがちな、キャラがぴょんぴょん動いたり、PSPのギャルゲーでありがちなヌルヌルキャラが動くと言った事が難しかった時代ですが、キャラの瞬きを入れることで動きを付けたのは努力と知恵の賜物だと思います。
背景のキャラクターも動きがあって当時のゲームにしてはかなりクオリティ高かったですよね。
主人公の特徴
昨今の美少女ゲームだと陰キャとか引きこもり系が多いですが、この当時のエロゲ主人公はオラオラ系が多かったですね。
(陽キャでは無い)
同級生の主人公(たくろう)も女好きで、ケンカが強く、思ったことをズケズケと言えるタイプの主人公ですね。
昨今の美少女ゲームの主人公は陰キャと言うよりかはムッツリスケベかな?
(突如ベットヤクザ化するし・・・)
ヒロインの特徴
清楚なお嬢様、スポーツバリバリの健康優良児、幼馴染、年下(大人の事情で設定上は同じ歳)、教師、人妻、OL、キャバ嬢、看護師と言った所謂アダルト系で抑えておくべきジャンルを一通り揃っている状態ですね。
美少女ゲームの観点で言うと、通常あまり存在しないジャンルもありますが、この時代のエロゲはあまり2次3次の隔たりがそこまで無い時代であったので、違和感を感じる人もいるのではないでしょうか。
処女よりも非処女の方が多いのも特徴ですね。
ちょっとこの辺りは後の作品(小説など)で設定が変わった子もいるので、一概にも言えないですが・・・
ストーリー
ストーリーは学園3年の最後の夏休みに、沢山の女の子とイチャイチャすることを目的としたゲームになっています。
夏休み前半をアルバイトに勤しんで、後半である8月10日から本作品がスタートするようになっています。
夏休みが終わるまでの間、アルバイトで貯めたお金の範囲内で行動し、女の子をナンパしていきます。
この大前提の元、各ヒロインたちと様々なイベントを経て、関係を築いていくストーリーになっています。
小ネタが多い
特に物語の進行と関係のないイベントも沢山あって楽しかったですよね。
駐車場でとある社長と秘書のまぐわいとか、学校の屋上で淡白な性行為を嗜むカップルや、また何の変哲の無い空き地行くと、そこでは美少女が野グ○していたり、ギャグ的な要素もふんだんに取り込まれておりました。
グラフィック
当時のグラフィックとしてはかなりハイレベルだったと思います。
また、各ヒロインの一枚絵も今の美少女ゲームに比べるとかなりの量だったと思います。
勿論、今と描き込み具合の差があるので、単純に枚数で語るのは違うかもしれませんが、紙芝居形式の今と比べるとやはり力の入れ具合はかなり違うと思います。
家庭用版
家庭用ゲーム機に初めて移植される際、Hシーンはどこまで再現されるのか!?っと一部でザワザワしてましたが、当然のことながらアダルトな描写は無かったです。(際どい描写はありましたが)
あ、ザワザワしてたというのは筆者の予想です。
だって電撃PCエンジンのスタッフが記事中で熱く語ってたんだもん・・・
中にはPC版ではエッチシーンあるのに、家庭用ゲーム版では励ますシーンにすり替わっていたり、主人公の名前を囁きながらベットインに入り、次のシーンではもう行為が終わった後であったりと、まぁもうギャルゲーの域ですね。
エンディングも夜の営みで様々な行為にチャレンジしているところが、家庭用ゲーム版では元気にスポーツをしていたりして、夜のスポーツから昼のスポーツにすり替わっておりましたね。
家庭用版ではセンターヒロインの妹も登場してましたね。
声優
PC98版は当然の如くボイスは無いのですが、家庭用ゲームに移植される際は声優が付きます。
國府田マリ子さんや丹下桜さんや井上喜久子さんといった、もう今となってはレジェンドとも呼べるような方々ですね。
ちなみにWindows版(18禁)はシークレットとなります。
よく巷で言われているnanpa.exeって?
こちらはPC98版同級生をインストールすると「nanpa.exe」という実行ファイル名だったことに起因します。
先に説明したとおり、同級生はアダルトゲーム業界を切り開いた作品のため、当時の大学生は先輩からパソコンを譲り受けたり、購入時にセットアップをしてもらう際、同級生をインストールしてもらって、気付くとデスクトップに「nanpa.exe」があって譲り受ける謎の文化がありました。(一部です)
こうしてアダルトゲームの闇に落ちていくというね…
っと、少し脇道に逸れましたが、本来同級生は1989年に発売された「ぴんきぃぽんきぃ」の流れを汲む「ナンパゲーム」として開発されていたのですが、原画担当の竹井さんのイラストを見ているうちにヒロインをナンパして性交渉するだけでは勿体ないと感じて、各ヒロインにストーリー性のあるシナリオを付加させた「恋愛ゲーム」になったため、その初期の構想の名残から「nanpa.exe」が残ったわけでした。
ちなみに同級生2はもっと恋愛要素の強いゲームになっていますが、実行ファイル名は「nanpa2.exe」と受け継がれておりました。
如何でしたでしょうか。
懐かしさと共に、大分古いゲームなので忘れていた人も居たのではないでしょうか?
イラストが一新され、恐らく賛否は分かれるところではあるかと思いますが、皆様は購入されますか?
よかったらコメント欄やTwitterのリプで教えていただければ幸いです。
ご清覧ありがとうございました。