第2話 アダルトゲームの歴史 黎明期編(1991~1999年)


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淫内感染

こんにちは
萌えログ管理人のらすくです。

アダルトゲームの歴史紹介第二弾の記事となります。
前回の記事はこちらになります。

歴史が深いため全5回に渡って紹介しようと思っております。
今回は第2回の黎明期(1991~1999年)を紹介したいと思います。


超忙しい人向けの3行記事
  • ソフ倫の誕生
  • エルフを始め、歴史に名を刻む企業が多数登場
  • 徐々にストーリーが重要視される時代が到来




ソフ倫の誕生

1991年アダルトゲーム業界で大きな事件が起きます。
それは沙織事件と呼ばれる出来事です。
沙織18

以前「義妹?実妹?妹キャラとの恋愛情事の歴史 前編」の記事でも紹介させてもらいましたが、当時中学生が「沙織 -美少女達の館-」というゲームを万引きして処分を受けたのですが、本来はそこで終わるべきはずであったこの出来事が、アダルトメーカーにまで矛先が向けられる結果となり、発売元だけでなく家電販売店を含む4か所に家宅捜索を受け、当時のジャストの社長やキララの配送室長が猥褻図画販売目的所持で逮捕されました。

この事件の影響でビジュアルアーツ傘下のブランドであるボンびぃボンボン!から発売されたばかりの『しぇいくしぇいく!』は、販売中止を余儀なくされました。

これまで業界には明確な規制は設けられておらず、各メーカーの倫理観に委ねられておりましたが、この事件がきっかけでコンピュータソフトウェア倫理機構(通称ソフ倫)が設立されました。

黎明期前半

この頃頭角を最初に現したのはエルフから1992年に発売された同級生では無いでしょうか。
同級生18

10万本を超えるベストセラーになったこの作品は、シミュレーションゲームを取り入れたナンパゲームで、ただただHシーンがあるのではなく、ヒロインの個性に合わせた恋愛ドラマが描写されておりました。

これまで欲求に直球だったアダルトゲームと異なり、現在の美少女ゲームに通じる恋愛ゲームの要素を取り入れておりました。

当時大学生が先輩からパソコンを譲り受けたり、パソコン購入時にセットアップしてもらう際に「nanpa」というフォルダの中に「同級生」が入っていて、そのままアダルトゲームの世界に入り込んだ人も多かったかと思います。

これがきっかけか否かは定かでは無いですが、家庭用ゲーム機では1994年に「ときめきメモリアル」という非アダルトの美少女ゲームが発売されブームになりました。

黎明期中頃

この頃からハードウェア的にCUIからGUI変わり始め、1995年にWindows95が発売されてメディアに注目されたかと思います。

この時期になるとアダルトゲームが徐々に人気が出始め、各メーカーがビジネスチャンスと感じ、いかに面白いゲームを出すかに着目するようになります。

エルフの姉妹ブランドシルキーズからは1993年12月に「河原崎家の一族」という、当時「弟切草」で話題になったマルチシナリオ・マルチエンディング形式のゲームが登場します。
翌年エルフからは「ドラゴンナイト4」が発売されましたね。
河原崎家の一族

アリスソフトからは1994年12月に「闘神都市II」が発売されます。
本作品は後にアダルトRPG市場最高峰と謡われるほどクオリティが高かったです。
ボリュームもさることながら、プレイヤーを飽きさせないシナリオ構成、饒舌なセリフやギャグといった、完成度の高いゲームでした。
闘神都市II

この頃から、「東のエルフ、西のアリス」と謡われるようになったかと思います。

1995年にフェアリーテールからバーチャコールと呼ばれる、所謂今で言うチャHをテーマにしたアダルトゲームが発売されます。(え?チャHも古い・・・?)
同年エルフからは同級生2が発売されました。
バーチャコール

ちなみにこの頃は、家庭用ゲーム機では「SM調教師瞳」がスーパーファミコンで、裏で発売されておりました。

黎明期後期

この時期になると更にアダルトメーカーブランドが増えてきて、数々のヒット商品が誕生したり、新しい方向性を開拓した作品が出てきました。

1996年にLeafから「雫」が発売され、続いて同じコンセプトで「痕」が同年に発売されると、当時はインターネットがあまり普及していない時代でありましたが、パソコン通信や口コミで一気に広まり、ストーリー重視の流れが段々と浸透してきたかと思います。
雫18

1997年に発売された「To Heart」はアダルトゲームの枠を超え、一杯家庭用ゲーム機の移植、アニメ化、漫画化され、広く認知されたかと思います。
ToHeart18.jpg

ときめきメモリアルと相まって、この頃から少しずつテンプレキャラが誕生してきた頃じゃないかと思います。
「幼馴染」「活発な後輩」「大人しいメガネっ子」「無口」「外国人」等々・・・

そしてアダルトゲームの新たな時代を切り開いたきっかけとなるのが、1999年にKeyから発売された「Kanon」では無いでしょうか。
翌年2000年にも同じコンセプトで「AIR」が発売されましたが、立て続けにヒットしたことにより「泣きゲー」という新たなジャンルを確立したのではないかと思います。
Kanon.jpg
(タイ焼きを食い逃げしてるんじゃないよ・・・って突っ込んだらファンに怒られるかな・・・?)

この時期から、美少女ゲーム、抜きゲーが少しずつ分け始められた時期のように感じます。
エロゲー、ギャルゲー、美少女ゲー、抜きゲー違いは何?」の記事でも書きましたが、後輩にKanonの事をエロゲーと言ったら、Kanonはエロゲーじゃないんです!怒られたのが今でも鮮明に覚えております。

黎明期のゲームの特徴は?

シナリオ編
徐々にストーリー性が増していき、ただただエロだけを描写するところから、Hに辿り着くまでのプロセスが重要視されてきたと思います。
その結果、アダルトゲームで人気出たものはほぼ全て家庭用ゲーム機に移植されたので、タイトルだけは知っていると言う人は多いのでは無いでしょうか。
YUNO18.jpg

音声編
音声作品もフロッピーディスクからCDに変わる事で徐々に声優さんが登場する作品も増えて来たかと思います。
(当時表名義のまま出ている人もいましたね)

この時期から今でも活躍する声優さんと言えば、北都南さん、一色ヒカルさんとかでしょうか。
もはやレジェンドですね。

グラフィック
配色も創世記に比べると16色に増え、CDになると16bit(65536色)になり、解像度も640 x 480になっていき、より綺麗で美しいグラフィックで表現されるようになりました。
Natural18.jpg

この当時はソフ倫の登場により、高校表記は基本消えて学園または学院という表記に変わっていった時期になります。

また、秘部の描き方もモザイクが掛かるようになり、直接的な描写は無くなったと思います。

モザイクもリアルに描いたところにモザイク掛けるパターンや、毛も描いた状態でモザイク掛けるパターンなどがありましたね。
その他は現代のアニメに通じる謎の白塗り(または光)であったり、まるでそこに性器が無いかの如くツルツル描写と様々でした。

しかし、そんな最中、欲望の化身と化した猛者たちは、何としてでも秘部が見たいがために、モザイク消すツールに手を染める等、あの手この手で秘部のモザイクを取るために切磋琢磨している姿を見ると、雄の性欲に掛ける情熱はどの時代も関係ないのですね。

少しこなれた猛者は、公式が利用しているFTPサーバを突き止めて、画像のやり取りが行われているフォルダから直接ダウンロードしている輩もいましたね。
(あの当時ちゃんとパスワードとか掛けていないところ、たまにあったので・・・)

不正対策
この頃から不正対策でコピーガードが導入されるようになりました。

ちゃんとしたコピーガードの他に、画像をキャプチャ取るためにPrintScreenキーを押すと警告が出たり、フロッピーディスクでインストールする際にBディスクから入れる等、小手先で対応するメーカーもいましたね。

逸材なものとしては1992年に発売されたらんま1/2 飛龍伝説では、女乱馬のヌードCGが出て「残念だったネ..」って表示されてゲームが出来ないものでしたが、一説にはご褒美なのではないかと言われました。
らんま18
(非18禁サイトなのでモザイク掛けていますが、本来はモザイク無しです)



如何でしたでしょうか。
今回は黎明期(1991~1999年)について記事にさせて頂きました。

本当はYUNO、遺作、下級生、Piaキャロットへようこそ!!、淫内感染、Natural、夜勤病棟といった作品も取り扱いたかったのですが、記事の長さを考慮して省きました。

そういえば、下級生と言えばインストール時にフロッピーディスクを17枚も抜き差ししないといけなかったのは辛かったですね・・・

兎にも角にもこの当時のエルフは凄まじく、スクエニの売上に並ぶとも言われており、ビルまで建てていましたね。

次回予告
違法ダウンロード(通称:割れ)による大量の不正利用ユーザーの登場と、多くの事件、そしてストーリー重視によるアダルトゲームの変革を余儀なくされた全盛期について記事にしようと思います。

・黎明期(1991~1999年)
全盛期(2000~2006年) ★次の記事はコチラ

ご清覧ありがとうございました。

[ 2020/11/16 18:37 ] ゲーム | TB(-) | CM(0)
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