こんばんわ
萌えログ管理人のらすくです。
時折、このシナリオゲーは良いとか、これはキャラゲーだねとか、エロゲ界隈ではこういったジャンル名で会話されることがあります。
その他にも泣きゲー、萌えゲー、ギャグゲー、鬱ゲー、燃えゲーなどなど細かいジャンル名を挙げたら切りがありません。
今回はこういったジャンル名を一度整理してみようと思います。
超忙しい人向けの3行記事
・シナリオゲーとはストーリーの過程でエロがあるゲーム
・キャラゲーとは共通ルートの先に平等にヒロインのストーリーがあるゲーム
・ノベルゲーとは基本クリックで僅かな選択肢のクリックでクリアできるゲーム
シナリオゲーとは何か?
シナリオゲー(シナリオゲーム)とは一般的に公式から定義されているジャンル名ではないです。
主にエロゲ界隈でファンが作り上げたジャンル名になり、内容としてはストーリー性に重きを置き、エロシーンはどちらかというとオマケ程度の認識にあるジャンルになります。
もちろんここから更に細分化され、鬱ゲー、泣きゲー、SF、ミステリーなど様々ジャンルに分けられたりします。
その中でも「泣きゲー」はシナリオゲーの発端とも言える存在なため、一部のファンからは「泣きゲー≒シナリオゲー」と解釈されることもあります。
泣きゲーの誕生
泣きゲーはその名の通り、「泣かされるゲーム」になります。
1990年頃、エロゲ業界は多くのエロゲが創出されると同時に、マンネリ化といった行き詰まりを迎える時期が来ていました。
選択肢を用いたアドベンチャーゲームも総当りで解決し、ストーリー性も乏しかったため、ユーザー離れが危惧されておりました。
そんな中、1992年にエルフから「同級生」が発売され、それまでただエロシーンだけを楽しむだけだったエロゲに、ヒロインとの問題と向き合いなが結ばれていく「物語」を伴うゲームで大ヒットを起こします。
その後、1994年にはシーズウェアから「DESIRE 背徳の螺旋」が発売され、当時としては類を見ない高いクオリティのSFアドベンチャーの作品で当時話題になり、続く「EVE burst error」もヒットします。
そして1995年には再びエルフから「同級生2」が発売されるのですが、桜子のシナリオは、ヒロインの難病による悲哀に満ちたシナリオで多くのプレイヤーを泣かせ、エロゲ業界に大きなインパクトになりました。
しかし、この当時はまだ泣きゲーと言うジャンルはまだ確立されていませんでした。
1996年にはleafから「雫」、「痕」が発売され、1997年に発売された「To Heart」では、マルチ健気なシナリオに多くのユーザーを泣かせれて、徐々にエロゲーの中に泣きゲーのコンテンツが増え始めました。
そして、そんな「To Heart」に反響を受けて制作されたのが、Tactics(後のKeyスタッフ)による1998年に発売した「ONE~輝く季節へ~」になります。
本作品は発売当初はそれほど注目されていませんでしたが、じわじわと評価をあげていき、その後ONEの制作メンバーが立ち上げた新ブランドKeyから、Kanon、AIRなどが発売され、「泣きゲー」というジャンルが誕生した流れになります。
キャラゲーとは何か?
キャラゲーは実は公式と非公式の意味があります。
本ブログを見に来ている人はほぼほぼ非公式の方の解釈かと思いますが、まずは公式の方から説明したいと思います。
公式のキャラゲーとは
キャラゲーとは人気ある漫画やアニメに登場するキャラクターを採用し、売上の数%を著作者に納めることでキャラクターの使用権を獲得して制作されたゲームになります。
その歴史は古く、ゲームが登場した間もない時期の1983年にアタリVCSから「E.T.」が発売されています。
日本だと手塚治虫氏の作品であったり、ガンダムシリーズもキャラゲーに相当します。
広義の意味になると更に拡大解釈され、キャラクターが前面に押されているゲームとして、例えばテイルズシリーズやザ・キング・オブ・ファイターズシリーズといった、キャラクターの魅力で引き付ける作品をキャラゲーと呼ぶことがあります。
エロゲ業界におけるキャラゲーとは
エロゲ業界におけるキャラゲーは別名萌えゲーとも呼ばれておりますが、実は定義はかなり曖昧なものとなります。
賛否は分かれるかも知れませんが、共通ルートと呼ばれるメインルートのシナリオが存在し、そこからヒロインごとにストーリーが振り分けられるのがキャラゲーの一つの定義で間違いないかと思います。
もちろんそこから細分化され、イチャラブ系、ハーレム系、ギャグ系、バカ系、癒し系、燃え系など様々な細かいジャンルに分かれていきます。
ノベルゲームとは?
度々「紙芝居ゲーム」と蔑称されることがありますが、ようはボタンを押して文章を進めて、時折登場する選択肢を選んでいくだけでクリア出来る簡単なゲームになります。
エロゲのほぼ9割はこのスタイルかと思います。
昔はアリスソフトから出ていた鬼畜王ランスなど、ゲーム性のあるエロゲは溢れておりましたが、昨今の市場が苦しいエロゲ業界ではそれだけのコストを投資することが出来ないため、このノベルゲームのスタイルを取っているところが多いです。
時々「シナリオゲー」と混同される方がいますが、ノベルゲームとはゲームシステムの仕組みの一種であり、シナリオゲーやキャラゲーのようなカテゴリとは少し違うので注意が必要です。
シナリオゲーってエロが要らないと言われるのは何故?
エロゲ界隈では2000年頃に、ある謎の勢力が誕生した時期があります。
「Kanonはエロゲーじゃない!エロがなくても良い!」
Kanonが出る少し前に鬼畜王ランスでも「エロがなくても良いゲーム」と同じような発言をする人はいましたが、このKanonに至ってはこの手の発言をする人が多く登場しました。
そういったことから2000年頃は、エロゲ界隈に新たな派閥が生まれた時期だと思っています。
2000年以前では、単純にエロさを求めてエロゲに手を出すのが一般的でした。
しかし、同級生、ToHeartと言ったシナリオ性がある作品が登場し始めて、Kanonと言った元祖泣きゲーと呼ばれる作品が登場した際に、ある勢力がエロゲ界隈に移ってきました。
それは1990年当時中高生であった若者です。
彼らは学生の頃、プレイステーションやセガサターンでギャルゲーを嗜んでいました。
自身が好きな作品が実は元祖はエロゲだと知り興味を持ったものもいれば、シンプルにKanonを進められた結果、ドはまりした人など様々ですが、今まで単純にエロを求めてた層とは別に、シナリオを重視する層の登場です。
彼らはとてもムッツリな性格で、エロにストーリーではなく、ストーリーの過程でエロがあるという考えの根付いていました。
それは学生時代にきちんと整備されたストーリーのゲーム(ギャルゲー)で遊んできたのと、エロゲから移植された全年齢向けの作品をプレイしてきたので、エロがなくても成立していたんですよね。
あとはやはり欲に直球な人と自分は違う、といった棲み分けをしたかったというのもあるかもしれません。
こうした純粋なエロを求める層と、シナリオ重視の層が誕生し、「エロゲにエロは要らない」という迷言が誕生することとなります。
ちなみに、もう少し時代が進むと、その中間層となる存在も誕生し、シナリオもエロも必要、だけどヒロインは処女ではないといけないというなんとも面倒な層も登場します。
そもそも美少女ゲームとは
元々エロゲーやアダルトゲームという呼び方が一般的でしたが、シナリオゲーと言ったライトなエロゲー、もっと言うとエロを省いた家庭用に移植されたエロゲーなどを楽しむ層は、エロゲーやアダルトゲームという呼び方に抵抗を覚え始めます。
また、前述でも話しましたが、シナリオもエロも必要だけど、ヒロインは処女であることが必須!と言った潔癖症の層が増えていきました。
その結果、エロの中にストーリーがあるのではなく、青春、恋愛、純愛と言ったストーリーの中にエロがあるものを、次第に「美少女ゲーム」と呼ぶようになったのかと思います。
つまり美少女ゲームとは必ずしも18禁ではなく、あくまでも純愛恋愛を主とするゲームのカテゴリになります。
結局のところシナリオゲーとキャラゲーの違いは?
大分脱線してしまいましたね…
人によって多少解釈は異なると思いますが、メインとなるお話がベースになるのがシナリオゲーで、途中まで共通のシナリオで進み、ヒロインによってお話が変わるのがキャラゲーと言う認識で良いのかなと思います。
ノベルゲーは、ゲーム中に登場する選択肢を、ポチポチとボタンを押していくだけでクリア出来る、ビジュアルノベルに声が付いたゲームシステムになります。
その他の細かいジャンル(例えば泣きゲー、イチャラブ系など)は、シナリオゲー、キャラゲー、抜きゲーで傾向はあるものの、独立したジャンルという解釈で良いのでは無いでしょうか。
多少ズレはあるものの、上記の図がそれぞれの傾向だと思っています。
如何でしたでしょうか?
人によっては多少解釈のズレはあるかと思いますが、概ね認識はあっているのではないでしょうか。
自分はこんな認識を持っているよ!というのあれば、是非コメント欄もしくは、Twitterのりプ欄で教えて下さいね。
ご清覧ありがとうございました。