こんばんわ
萌えログ管理人のらすくです。
「萌え」に限らず、物語を盛り上げる上で重要なスパイスとして使われる手法として「ギャップ」と言うテクニックがあります。
ラブコメに置いてはこの「ギャップ萌え」を使うことで、読者に胸をキュンキュンさせたりしますよね。
今回の記事は「ギャップ萌え」について語ってみたいと思います。
普段の客観的な視点というよりかは、やや筆者に主観的な意見が多いかと思いますが、あくまでの一個人の意見として見て頂ければ幸いです。
超忙しい人向けの3行記事
- ギャップ萌えはマイナス要素からプラス要素に大きく転じると効果大
- ギャップ萌えの心理はゲインロス効果によるもの
- これからのギャップ萌えで大事なのは意外性
ギャップ萌えとは
「ギャップ萌え」とはまさに文字通りでギャップが生み出す萌え要素となります。
このギャップと言うのは様々で、外見と内面、印象と実態と言ったイメージ相違であったり、時間・場所・状況による変化であったり、型・様式・形態・部類からのミスマッチと言った、意外性になります。
その為「意外性萌え」と呼ばれることもありますね。
ギャップ萌えの種類について
まずは最初にそもそもギャップ萌えはどんな物があるかを紹介します。
ギャップ萌えを大きく2つに分けると「変化」と「組み合わせ」にあるかと思います。
「変化」の中には「見た目の変化」「状態の変化」、「組み合わせ」の中には「外見と内面の組み合わせ」「ミスマッチな組み合わせ」「相反する組み合わせ」が挙げられるので、それぞれ事例を紹介します。
見た目変化
古くから使われる手法かと思いますが、対象のキャラクターが何かしらの見た目が変化した際に、突然印象がガラリと変わる変化になります。
- メガネっ娘がメガネ外すと美女に
- メガネかけてない子がメガネを付ける
- 女装またはメイク
- 断髪
- 糸目が開眼
- 海やプールイベントで水着着用
- パーティなどでドレス着用
- 化粧をしたらガラリと雰囲気が変わる
- 脱いだらすごいんです
ありがちな事例としてはメガネっ娘かと思います。
ぐるぐるメガネであったり、地味なメガネを掛けていて、あまり目立たない女の子が、いざメガネを外すと美少女だった…と言うのはラブコメでよくある展開かと思います。
逆パターンとして普段メガネかけていない人が、勉強を教える時に教師風にイメチェンするためにメガネを掛けるギャップもあったりしますね。
他にも冴えない男の友人を女装またはメイクしたら、とんでもない美少女になってしまったと言った、男の娘の作品で度々見かけるかと思います。
少し萌えとは離れますが、糸目のキャラクターが目を開眼した時に急に威圧感を醸し出すのも、ギャップの手法では無いかと思います。
細かいのだとイメチェンや、物語の中で髪を切ってロングヘアからショートヘアへの変化も見た目の変化のギャップとしてありますね。
状態の変化
本来の状態から変化してイメージが変わる手法ですね。
- ツンデレ
- おてんば娘がおしとやかに
- おしとやかな子が好戦的に
- 実は女の子だった
これは一番イメージしやすいのはツンデレかと思います。
ツンデレは以前ブログの記事で紹介しましたが、初めツンツンしてて心境が変化してデレる場合や、照れ隠しの一環として好きなのを素直になれずにツンツンした態度を取ってしまったり、特定の相手のみデレデレしてしまうケースですね。
参考:
その他だと小さい頃はおてんば娘だったのが、成長とともに女性らしくなり、おしとやかになるケースも古い作品ではよく見かける設定かと思います。
ただ、このケースの場合、一見おしとやかになっているものの、割と内面は以前のおてんばのままであったりして、それはそれで良かったりもしますよね。
そして、状態の変化でよくありがちなのが「昔男だと思っていた幼馴染が実は女だった」というシチュエーションでしょうか。
作品によって登場方法は様々ですが、見違えるほど美人になっていた場合や、最初は男装していて気付かなかったが、ふとしたアクションで女の子だと発覚するなどが多いかと思います。
ただこの手の場合、幼少期が描かれていない場合も多いため、一概にもギャップ萌えに該当しない場合もあります。
外見と内面の組み合わせ
恐らくはこのケースが一般的なギャップ萌えで多く使われる手法でかつ、ここの見せ方が作品の質に左右すると言っても過言では無いかと思います。
- 家庭的な女性が料理が致命的にダメ
- お嬢様だけど猪突猛進型
- 清楚で美人なお嬢様が超鬼畜
- 見た目はいかついけど超萌え声
- ギャルだけど家庭的
- クールなキャラクターだけど可愛いもの好き
- おちゃらけているけど実はすごく真面目
- 明るそうにしているけど寂しそうな一面を見せる
- 気が強く、厳しいが、実は優しさに溢れている
- 気が強いが実は幽霊など怖いものが苦手
- 優しさあふれるキャラが実はドS
- 草食系と見せかけて肉食系
- 気丈に振る舞っているが酔うと甘えん坊
- 完璧タイプと見せかけてプライベートではだらしない
記憶を頼りに掘り起こしたので、まだまだパターンはあると思いますが、めちゃくちゃ色々ありますね。
全部を深掘りすると長くなるのである程度掻い摘んでみようと思います。
「家庭的な女性が料理が致命的にダメ」なのは割りとラブコメの定番かもしれませんね。
一昔前のラブコメなら女性は料理ができるという設定がありがちでしたが、1990年以降のラブコメは料理が出来なくて涙目になっているという設定が登場し、ここがまた萌えるポイントでしょうか。
またその反対要素として、恐らく家庭的な事が一切出来ないであろうギャルが、実は家庭的でそのギャップに惹かれるなんてこともありますよね。
後者は割りと近年注目されつつあるような気がしています。
「クールなキャラクターだけど可愛いもの好き」は中二病的なキャラクターにありがちかもしれませんね。
その為、実態は「クール」とは少し違うかもしれませんが、見た目や第一印象はクールと捉えてもらえれば良いかと思います。
その他にも「気が強いヒロイン」が時折優しい一面を見せると、今までの厳しさを全て反転するが如く、胸がキュンキュンするアメとムチ状態になりますし、実は幽霊が苦手だった…って時は、急に守ってあげたくなっちゃいますよね。
ミスマッチな組み合わせ
事例としては少ないですが、普通だとあまり起こり得ないような、ミスマッチな組み合わせも時として萌える要素になるかと思います。
- 成人女性のセーラー服やスク水
- 女性が男物の服を着る
- 幼女がブカブカな服
- すごいあだ名だけど普通のキャラクター
- 聖職者が実は性職者
- 聖職者が実は武闘派
- 普段運動神経が悪いのに突如ミラクルを起こす
いくつか少し掘り下げてみると「成人女性のセーラー服やスク水」は、好きな彼のためにある程度彼の趣味に合わせて頑張る場面ですね。
「女性が男物の服を着る」はよくあるのが「彼シャツ」かと思います。
流行りだした時期は昭和の頃からかと思いますが、通い妻的な感じで彼氏の家に泊まりに来た際に「パジャマ忘れちゃった」とか、雨に濡れてシャワー浴びた際に、衣服がなくて彼のワイシャツを着るパターンですね。
今でも愛され続けるギャップ萌えの一つではないでしょうか。
そして「幼女がブカブカな服」も割りと多いかと思います。
袖から手が出ていない姿を「萌え袖」と呼ばれていたりしますが、キュンキュンしちゃいますよね。
相反する組み合わせ
現実では中々想定しづらいフィクションならでは組み合わせですね。
- ロリ巨乳
- 合法ロリ
- 幼女が巨大な武器、兵器を使用
- 本来男であるキャラクターの女体化
- 歴史上の著名人の女体化
- 哺乳類、鳥類、爬虫類の萌え擬人化
- 性別という概念が無い物体の女体化
こちらは正しくはロリが巨乳になったのではなく、巨乳キャラクターにロリ属性を足したものなのでお気をつけ下さい。
「合法ロリ」は設定年齢上は何百歳であったり何千歳であるが、見た目は完全に幼女というパターンですね。
エロゲでも成人女性をあたかも幼女のようなデザインにすることがしばしばあったりしますよね。
「女体化」は、最近とにかく流行っていますよね。
5chで一時期話題になった、
イギリス人「アーサー王を女体化は国辱。日本人も織田信長を女体化されたら不快だろ?」
という文脈がありましたが、なんてことはない。
織田信長が一番女体化の被害者であるというね。
その他にもソシャゲ流行った軍艦の萌えの擬人化であったり、けものフレンズのように動物の萌えの擬人化もありますね。
プラス要素とマイナス要素について
ギャップ萌えを語る上でまず前提として押さえておきたいのが、キャラクターのプラス要素とマイナス要素の兼ね合いかと思います。
ここで言うマイナス要素は決して負のイメージであったり、悪いイメージではなく、「弱点」として押さえてもらいたいです。
(勿論、負のイメージや悪いイメージもありますが)
例えば「家庭的な雰囲気の女性が料理は下手である」の場合のケースで言えば、「家庭的な雰囲気」がプラス要素になり、「料理が下手である」がマイナス要素になります。
すごい完璧そうな人だったのにこうした弱点があると少し可愛く見えてしまうんですよね。
そしてここに「そんな自分に嘆いて涙目になる」というプラス要素をスパイスとして加えると一気に胸がキュンキュンと来ちゃうのです。
逆に「ギャルだけど家庭的である」の場合のケースだと、「ギャル」がマイナス要素になり、「家庭的である」がプラス要素になります。
第一印象は悪いはずが、実はすごく家庭的な子だったというギャップの振り幅が胸をときめかせます。
そこに更に、怒らせると元のギャルのイメージ通り「何やってんのよー!」って罵倒したり、蹴り飛ばしたりしてくるマイナス要素を入れてくるのも何だか愛おしく感じてしまうのです。
プラス要素同士、マイナス要素同士について
「お姫様で礼儀正しくおしとやか」と言う場合、イメージ通りで全くインパクトはありません。
勿論、絵師の努力で可愛らしく描けば、見た目として愛されるかもしれませんが、人気が出る保証はないかと思います。
しかし、これがもしサブヒロインとして登場していたら、少しだけマイナス要素が加わるため人気が出る可能性はありますが、センターヒロインとして登場していたら一昔前のヒロイン感は拭えないですよね。
これはマイナス要素同士でも同じ事が言えて、プラス要素がどこかしらにスパイスとして入れなければ、イメージ通りですねで終わってしまいます。
プラスからマイナスは程々に、マイナスからプラスは激しく
ギャップ萌えで大事なのは振り幅だと思っています。
例えば「家庭的な雰囲気の女性」で「料理下手である」という、よくあるプラス要素からマイナス要素へのギャップ萌えで、更に「自身の料理の下手さの自覚が無く、周りにも害を及ぼす」と言ったマイナス要素に振りすぎると、今度はプラスの要素をカバーできずにマイナス要素が印象付いてしまうことがあります。
一方で「ツンデレ」の場合は、ツンの激しさが大きく、ツンの期間が長ければ長いほど、デレた瞬間のギャップ萌えはかなり巨大になります。
今までの全てのマイナスを背負う形で巨大なプラス要素として、胸キュンが襲ってきます。
ゲインロス効果
何故人はこうもギャップ萌えに惹かれるのかというと、心理学でいうゲインロス効果と呼ばれる状況になります。
これは以前ツンデレの記事でも触れたことがありますが、プラスとマイナスの変化量が大きいほど、人の心に与える影響が大きくなる効果になります。
参考:
ちなみにゲインとは増幅や獲得という意味で、ロスとは損失を意味します。
以前女子大生を集めて、以下の4パターンでの好感度を測った実験がありました。
①ずっと肯定的である場合(ゲインのみ)
②ずっと否定的である場合(ロスのみ)
③最初の数回が否定的で後に肯定的になる場合(ロス→ゲイン)
④最初の数回が肯定的で後に否定的になる場合(ゲイン→ロス)
この実験で最も好感度が上がったのが、③の最初否定的な状態が続いて、後に肯定的になる場合だったのですよね。
よく第一印象が大事という話は聞きますが、最初良い評価の人間は減点方式になりがちなのに対して、最初悪い評価の人間は加点方式になりがちです。
これは昔やんちゃしてたヤンキーが更生し真面目になった人を高く評価し、最初から真面目に生きてきた人があまり評価されないのと同じ現象ですね。
ここで疑問なのが、先程出てきたプラス要素からマイナス要素の事例で上げた「家庭的な雰囲気の女性が料理は下手である」なのは何故ギャップ萌えと評価されるのかが疑問に残りますよね。
こちらはゲインロス効果というより心理的安全性の確保かと思います。
この「家庭的な雰囲気」と言うのは恐らく同時に完璧な人間であったり、何かしら大きな強みを持っているケースが多く、あまりにも出来すぎる人はかえって近寄りがたい印象になり、本来プラスの要素のはずがマイナス要素をはらんでしまっているのです。
その際に「料理が下手」と言うマイナス要素があることで、「あ、この人にも弱点があるんだ」という安心感に繋がるのかと思います。
これからのギャップ萌え
昔の作品は、キャラクターのイメージと性格は一致していましたが、それにマンネリ化してきた人がギャップ萌えを求めるようになり、最近ではこのギャップ萌えが大きければ大きいほど支持されるように感じています。
よくSNSでちょっとした漫画を投稿する人も、ギャップ萌えをよく使用しているかと思います。
しかし、かなりギャップ萌えも定番化し、皆の目は肥えてきているため、生半可なギャップ萌えでは他の作品に圧倒されるかと思います。
そのためこれからのギャップ萌えは今までに無い「意外性」をどこまで追求できるかが鍵になってくるかと思います。
如何でしたでしょうか?
かなり個人的な主観が入った記事になっているかと思いますが、皆様は本記事を通してどのように感じましたでしょうか。
本当はあまり主観的な記事は書かないのですが、たまにはこういう記事も書いてみたいなと思って書いてみました。
皆様が感じるギャップ萌えで「こういった視点もある」「ここの視点は自分はこう解釈する」みたいな意見がありましたら、コメント欄かTwitterのリプ欄で是非聞かせて下さい。
ご清覧ありがとうございました。