こんばんわ
萌えログ管理人のらすくです。
とうとうこの禁忌に触れるときが来ました。
今回は今ものすごい勢いで流行っているNTR(寝取られ)のテーマについて語りたいと思います。
実はずっと避けてきたテーマになります。
テーマとしてやや抵抗感を感じる人が少なからず居ると思っていましたし、ややアダルトなテーマなため「萌え」とは少し方向性がズレることもあったためです。
予め言っておきますが、今回やや長めです。
今回は前編・後編と分けるには中途半端であったので、色々語りたいことをグッとこらえてまとめてみました。
超忙しい人向けの3行記事
- 定義が混濁している
- 人気ジャンル1位
- NTRは視点によって好みが分かれる
NTRとは
恋人や妻を寝取られた男、もしくはそういった「寝取られ展開」の略語になります。
またこのような性癖をNTR属性と呼んだりもします。
ちなみに恋人や夫を女性に寝取られた方は逆NTRと呼びますが、残念ながらこの用語及びシチュエーションは「寝取られ」と言うよりかは、浮気として処理されることが多かったりします。
尚、「寝取り」の方はNTLと呼びます。
しかし昨今では、「寝取り」をNTRと略し、「寝取られ」をNTRRとする解釈も生まれており、略語の混濁が始まっているかと思います。
NTRの人気
好みが完全に分かれるNTRですが、実は何気にここ数年でとんでもない人気を博すようになっております。
意外と思われる方も多いではないでしょうか?
FANZAが2018年に公開した男女別や年齢別の人気ジャンルでも堂々の1位を取り、DLSiteのシチュエーションのタグ付がされている数も「学園・学校」「イチャラブ」に次いで3位になっております。
学園・学校やイチャラブは、シチュエーション云々より、それを無くしてアダルト作品になり得ないと言っても過言ではないので、性癖というカテゴリでは1位で考えてよいかと思います。
ちなみにアメリカの調査では男性の58%、女性の30%が寝取られ願望を持っているという結果が出ているようです。
NTRの歴史
そもそも寝取られという概念自体はギリシャ神話、北欧神話、エジプト神話で、既にそのような要素を含む物語は存在しているため、歴史は古いものとなります。
文学においても12世紀にフランスでまとめられたケルトの説話「トリスタンとイズー」に登場しており、日本でも11世紀に紫式部によって書かれた世界最古の長編小説「源氏物語」にもそのようなシチュエーションが登場します。
NTRの用語の歴史
「寝取られ」は本来「自分の恋人や妻が他の男と性的関係になることを悦ぶ性的嗜好」と言うマゾヒズムの一種として取り扱われておりました。
しかし、古来より一般的なシチュエーションということもあり、用語としてはあまり普及していなかったように思えます。
一方「NTR」の方は明確に用語の誕生時期は判明しており、「ちゆ12歳」の記事によると2001年7月18日に「寝部屋」という個人サイトの掲示板で、議論の末に略語が決まり、その後一般に広まったと考えられます。
精神的NTRとは?
別の言い方として心理的NTRとも呼ばれていますが、精神的NTRは美少女ゲームならではの用語になります。
美少女ゲームでは複数ヒロインが登場し、一人のヒロインを選んで攻略していくスタイルですが、選ばれなかったヒロインが別の男性と付き合うシチュエーションを精神的NTRと呼びます。
別に寝取られたわけでもなんでも無いのですが、プレイヤーから見れば攻略対象キャラクターが奪われるため、快く思わない人も多く存在し、最近の美少女ゲームではそういう展開は殆ど見かけなくなったかと思います。
広義な意味としては攻略非対象の女性キャラクターが、別の男性と結ばれるケースでも精神的NTRと呼ぶ場合があるそうです。
まぁ攻略対象外のサブヒロインも可愛い子がいますからね。
こちらに関しては今でもたまに見かけますね。
ちなみに類義語としてBSS(僕が先に好きだったのに)や片思いNTRという言葉もあります。
一般作品にNTRの歴史
一般作品としての寝取られのシチュエーションとして最も有名なのが、1996年2月9日にスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売されたバハムートラグーンに登場するヨヨと言うキャラクターでしょうか。
バハムートラグーンをプレイしたこと無い人も、一度はその名を聞いたことがある人もいるかもしれません。
本キャラクターはRPG史上最凶の悪女と謳われるほど、想定外の結末を迎えたヒロインになります。
ネタバレになるので詳細は語れませんが、公認カップルとまで呼ばれる相手がいましたが、敵国に捕らえられて軟禁状態の時に、親切にしてくれた敵国の人に惹かれてしまう、いわゆるストックホルム症候群のような状態となり、多くのプレイヤーの心を折ったかと思います。
しかし、同時にNTR属性に目覚めた人も多く居たのでは無いかと思います。
エロゲにおけるNTRの歴史
エロゲでは元々NTRは専売特許と言わんばかりに、その手の作品に溢れかえっていました。
寝取られは勿論、寝取りも多かったですし、精神的NTRなんて日常茶飯事でした。
90年代は取り分け「寝取り」側の目線が多かったかと思います。
1992年12月17日にエルフから発売された同級生では健二と恋仲の黒川さとみが攻略対象でしたし、1999年12月10日ちぇりーそふとから発売されたBLOOD ROYALではルート次第ではミルテ姫を王子から寝取った形になるかと思います。
そんな中でもNTR作品の伝説と呼ばれるのは作品として、1998年~1999年に雑誌テックジャイアンに収録されていた「ディアプリンセス」というゲームがあります。
本作品はいわゆる「寝取られ」視点による作品で、主人公は敵国の王子にヒロインはおろか、自身の尻や心、そして領土など徹底的に何もかも奪われてしまうという中々ハードな作品になっています。
雑誌の付録だったということもあり、近親相姦、ホモ、寝取られ、SM、ロリと言った、今では中々見受けられない性癖のバーゲンセールのような作品でしたね。
そして2004年には「たまきん事件」という大きな事件が起こります。
2004年8月27日にエルフから発売された下級生2は、メインヒロインが彼氏持ちで処女も捧げていたということで、当時多くのユーザーの反感を買い、大炎上した作品になります。
ここまで来るとNTRと言うよりNTLじゃないかと思うかもしれませんが、このヒロインただのヒロインではなく、主人公に甲斐甲斐しくもお世話をしていた幼馴染だったのですよね。
しかも本ヒロインと夜の営みの際にひたすら前の彼との比較をしていたこともあり、2chを中心に祭り状態となり、暫く沈黙を貫いていたエルフもファンクラブ会報でフォローを入れるものの、時すでに遅しで、本騒動がきっかけでエルフは失脚していくことになります。
NTLと言うよりかは精神的NTRやBSSの方が近いかもしれませんね。
ここまで見るとNTRが苦手な人の多くは、処女に対する信仰心が強い傾向があるかもしれません。
その為、美少女ゲームをこよなく愛する人には相性が良くないかもしれませんね。
何故NTRがこんなに人気?
何故これほどまでにNTRが人気なのか不思議な方も多いかと思います。
しかしこのNTRが人気なのを説明する前に、そもそもNTRのシチュエーションをきちんと理解する必要があります。
視点をどこにして見るか
- 寝取られ側の視点
- 寝取る側の視点
- 寝取り対象の視点(ヒロイン)
- 第三者の視点
寝取られ方はどうなのか
寝取られ側のキャラクター像
寝取る側のキャラクター像
ヒロインの人物像
寝取られに至る経緯
寝取られの結末
- 寝取った側との新カップル誕生
- 寝取られたパートナーが破滅
- 元のパートナーに戻ってくる
このようにシチュエーションの組み合わせは膨大なパターンになります。
更にここに作品の読み手の性別が男性なのか女性が加わってきます。
女性がNTR好きな理由
NTRが好きだと豪語する女性はほぼ9割以上はヒロイン目線かと思います。
女性が執筆するNTR系の記事を読むと、ほぼほぼ解釈がヒロイン目線で語られており、複数の男性に求められるいわばハーレム状態に気持ちが昂ぶるようですね。
悪いことをしている背徳感もまた良いのかもしれませんね。
男性がNTR好きな理由
恐らくここが衝突を生むかと思いますが、男性の場合「視点」がかなり重要になってきます。
「寝取られ側」の視点が好きな男性は一種のマゾヒズムの性癖の一つで、自分の妻や恋人が別の男性に対して抱かれることに強い興奮を抱きます。
心理的には妻や彼女の価値を再認識する機会であったり、自分の配偶者が雌になる瞬間を見ることに快感を覚えるマゾ気質によるものかと思います。
一方「寝取る側」の視点は、男性の雄としての本能に近いかと思います。
ゴリラの例をあげると、ゴリラは実は陰茎の長さは勃起しても3cm程度しか無く、性行為も1分内で終わる非常に淡白なものなのですが、自身の強さで弱いゴリラを押しのけ、ハーレムを築いて子孫を繁栄します。
一方人間の場合は戦略が異なります。
陰茎をより発達させることにより、性行為の時間を長くすることで自分の子孫を残すようになります。
人間は霊長類の中で最大級の陰茎の持ち主なのです。
そう、自分の精子が相手に着床させること、つまりは寝取ることに興奮するのです。
「ヒロイン側」の視点は、「ヒロイン=自身」が別の男性に犯されていることに興奮を覚えるマゾ気質によるかと思います。
「寝取られ側」(男性)の自身が犠牲になっているマゾ気質とは異なり、自身がヒロインになっているという妄想であるため、襲われたいという心理になります。
これは凌辱系作品を好む人にも似たような心理がありますね。
「第三者」の視点は、どちらかというと凌辱系の趣味趣向をお持ちの方に多い気がしています。
こちらはどの当事者の視点にも該当せず、その場を見ている概念的な存在になります。
その為、寝取る側の男性像がものすごいキモいおっさんであったり、物語のシチュエーションも「旦那よりもいい!」となってしまう快楽堕ちを好んでいるのでは無いでしょうか。
最初は嫌がっていたはずなのに、いざ解放されると旦那との性行為に満足できずに、寝取りを行った人のもとに行ってしまう…と言う展開も割りと多いですよね。
清純キャラクターのはずがビッチに転落してしまうギャップであったり、スリル、背徳感を嗜む傾向があるように感じます。
改めて何故NTRがこんなに人気?
大分説明が長くなってきたので、改めて何故NTRがこれ程までに人気なのかを整理します。
前項で説明した通り、NTRと言う一個のジャンル(シチュエーション)の中には様々なパターンが存在しています。
恐らくは本来の意味である「寝取られ」視点は、今も昔もマイノリティな存在かと思います。
一方で「寝取り」視点や「第三者」視点は、純愛モノに飽きた人達が、より刺激を求め、インモラルな作品に惹かれる形で需要が高まっていると思います。
その結果、「寝取り」視点や「第三者」視点、そして女性層の拡大による「ヒロイン」視点のファン層を取り込む形で、様々な性癖の集合体として構築され、NTRジャンルの人気上昇につながったのでは無いでしょうか。
その為、NTR好きと言っても、寝取「られ」と寝取「り」では全く別の性癖のため、実は同じ好きを指しているとは限らないのです。
何故NTRがこんなに流行っているのかと疑問を抱いている方は、NTRを「寝取られ」視点の解釈のままで居る方なのではないでしょうか。
今後のNTR
かつてはマイノリティな存在としてやや忌み嫌われる存在ではありましたが、徐々にその存在が認められ、支持されるようになってきたのではないかと思います。
しかし、同時にNTRの解釈の混濁も始まっており、同じNTR好きでも同じものが好きとは限らず、もっと言うと本来の寝取られ目線によるNTRは、引き続きマイノリティな存在として生き続けるのではないかと思っています。
草食系男子には余り好まれませんが、肉食系女子にはこれからも支持されると思いますし、寝取り目線(正確にはNTL)の方はこれからも伸びていくジャンルではないかと思います。
如何でしたでしょうか。
ずっと避けてきたテーマではあるものの、さすがにこれほど流行っているのにテーマとして取り扱わないわけにもいかないと思い、記事にしてみました。
少しだけNTRについて考え方が変わった方もいらっしゃいますでしょうか?
ただNTRはほぼ100%道徳に反する作品であるため、嫌悪する人は少なからず居ますし、何よりそういった心の持ち主は大事な存在だと思いますので、苦手な人は無理に受け入れる必要は全く無いと思います。
皆様は好きなNTR作品は何でしょうか?
コメント欄やTwitterのりプ欄で教えて下さいね。
ご清覧ありがとうございました。