今回、普段筆者はフリマで買うことは無いのですが、あまりにも相場度外視の正規品があったため、試しに購入し、実際に詐欺に合い、無事お金を取り戻す(正確には渡さなかった)までの過程と、このような海賊版の商品に引っかかった場合、どのように対応するかをまとめてみました。
今回の経緯
筆者は元々、抱き枕カバーは公式から正規品しか買ってこなかったので、実は海賊版の存在は割りとここ数年意識し始めた感じになります。
(まぁ筆者のことをよく知る人はご存知だと思いますが…)
実は以前にも海賊版についてかなり調べたことがあり、実際に引っかかってしまった知人から偽物を見せてもらい、注意点を記事にしたことがあります。
しかし、この時の記事は主に抱き枕カバーの歴史を語るついでに、軽く触れた程度だったため、今回実際に引っかかった時の対応を記事にしてみました。
尚、あからさまに偽物だと分かるものを購入したのではなく、明らかに正規品として紹介しているのに極端に安い新品だったため、購入してみた次第になります。
尚、利用したフリマサイトはPayPayフリマになります。
取引画面でのやり取りの流れ
相場の半額並の新品の抱き枕カバーを発見
詳細な商品名は伏せますが、実際に販売されていた時の価格が確か12,000円前後で、フリマでは15,000~18,000円の取引されている商品が、僅か8,900円で販売されておりました。
尚、海賊版の方は900円~2,000円前後ぐらいでしょうか。
(購入時より数ヶ月前までは4,000円ほどでした)
購入画面では正規品の写真を使用しており、説明文には「新品未使用未開封」と記載がありました。
正規品を示す、抱き枕カバーの番号のシールが貼っておりました。
商品の到着
商品到着した時点ですぐに違和感を感じました。
まず箱が小さい!
以前記事でも紹介しましたが、海賊版の抱き枕カバーは150cmと少しサイズが小さいので、宅急便コンパクトで送ることが可能になっています。
恐る恐る開封してみたところ案の定海賊版でした。
ははぁ~ん、こいつ私を騙しましたね。
全力で潰すしか無い。
そう心に決心しました。
まずは反応を伺ってみる
本商品のサークル名及び、Boothで購入した場合に抱き枕カバーの番号のシールが貼っていない商品であることと、品質が本来「アクアヴェール」であるのに「2WAYトリコット」であることを伝え、正しい商品を送って欲しいと要望しました。
あくまでも送り間違えたんですよね?と相手を批判するのではなく、低姿勢で挑みました。
怒涛の言い訳ラッシュが始まる
【相手の言い分】
・サークル名は元々書いてないよ!
・それを理解しての購入だろ!
・購入前に裏面の写真見てないだろ!(←元々載せてないw)
・そっちの不手際だろ!
この商品、正面からの写真1枚だけで、裏面の写真は掲載していなかったんですよね。
私が、そんなのを見落とすわけがないじゃないですか。
それとサークルの商品である抱き枕カバーの番号のシールが無いことを再度お伝えしました。
かなり苦しい言い訳を仕出す
【相手の言い分】
・抱き枕カバーの番号のシールは剥がしたよ!
・裏面の写真を見せてくれって言わなかったじゃないか!
・気になる人はしっかり聞いてくるはず!
・正規品とは書いていないです!
・確認不足だ!
・返品はPayPayの規約上出来ない!(←何の規約だw)
海賊版と認めたよ(笑
取り敢えず少し泳がせてみることにしました。
シールを剥がしたと言っても、写真の商品と異なっていることは間違っていない旨を伝えました。
あと品質表示は本来裏に入っているのが、届いた商品は表面に来ている旨も伝えました。
やや大人しくなり始める
【相手の言い分】
・お見舞い申請をしてください。
(※お見舞い申請の件は、後述で詳細は説明します)
・品質表示は裏にあるのを配送前に表に移したんだ。
少しずつ反撃を開始していきました。
まず抱き枕カバーはビニールにピッチリ収まっているので、開封せずに品質表示の紙を表面に移すことは不可能であることを伝えます。
(商品説明には新品未使用未開封って書いてありましたからね)
そもそも移動させる理由は分からないですしね。
そしてトドメに写真は正規品なのに、海賊版を送ってくるのは悪質なケースにあたるとハッキリと反論の意思を伝えました。
苦し紛れの言い逃れをし始める
【相手の言い分】
・自分はフリマサイトで買っただけで正規品の確証は無かったんだ
・正規品かどうかを尋ねなかったことが悪いじゃん!
・お見舞い申請すれば全額返金されるよ!
(↑後で説明しますが、やや誤りがあります)
・あくまでもあなたの確認不足ですよ!
・次からしっかり確認してくださいね!
意地でも自分に非がない事を伝えてくるので、ど正論である「正規品の写真を載せているのに正規品ですか?と尋ねることはしないです」と伝えました。
抱き枕カバーの知見不足を露呈し始める
【相手の言い分】
・フリマサイトで買った時の写真を載せてるんだよ!(←規約違反w)
・番号があるから正規品と判断するのは問題だ!
・品質確認を怠っている!
・お互いに非があるよ!(←少し自分の非を認めだしたw)
仮にフリマサイトで購入した時の写真だと伝えた所で、実際の写真を載せないのは見事に規約違反ですよね。
なのであくまでも写真と商品が違う旨を伝えました。
イラストも違うし、折りたたまれている位置も異なるという感じで、相手方の規約違反に相当する言い訳は無視して話を進めました。
PayPayフリマのシステムで逃げようとし始める
【相手の言い分】
・お見舞い申請すればお互い損が無いよ!
(↑正確には購入者にリスクがある)
お見舞い申請は絶対させたくなく、あくまでも返金させたかったので、マニュアルに記載のある「受取評価」前に返金してもらうことを要求しました。
それでも相手は自分の非を認めなかったので、「写真と違う商品を送ってきている時点で私に非が無い」ことを伝えました。
腹立つ言い訳をしたので最終手段を出ることに
【相手の言い分】
・自分の非を認めない人と話し合い出来ねーよ!
・返品返金は受け付けねーよ!
・自分はフリマサイトで正規品と思って買って、そして売ったんだ!
・正規品はどういうものか分からないから質問で教えてくれればいいじゃん!
・お互い非あるよね!
・偽造品を売るつもり無かったんだよ!
・正規品をすり替えた可能性もあるので返品返金は出来ねーよ。
(#^ω^)ピキピキ
あ、これ容赦しなくていいやつだ。
海賊品と分かって送っておきながらこの返答ですよ。
この一文でさすがにキレたので最終手段を出すことにしました。
まず埒が明かないので事務局にお問い合わせをしました。
そして事務局の対応次第にはなるが、もし対応が難しいとなると警察に被害届を出すことを伝えました。
写真に乗せている商品と異なる商品を送っている時点で確信犯であることも伝えました。
そうすると、急にしおらしくなって、返金に応じるようになりました。
その後
その後はもう端折りますが、素直に返金に応じる姿勢を取り始めました。
まぁ先に受取評価終わらせてその金額を送りたいとか、販売手数料分だけ負けてもらえないかとか、諸々言ってきましたが、基本マニュアルに従わないイレギュラーな対応はお断りして、次の日に無事返金されました。
今回の勝利の焦点について
・正規品の写真を掲載していた
・イレギュラーなことをせずにマニュアル通りに進めた
この2つになるかと思います。
正規品の写真を掲載していた
海賊版の抱き枕カバーの見分け方は以下の記事にも記載していますが、一番の見分けるポイントとしてはやはり品質かと思います。
勿論正規品でも2WAYトリコットが無いわけではありませんが、同人サークルの場合はほぼほぼ間違いなく、アクアヴェールやライクロトンと言った、良い品質を利用しています。
商業商品の場合は、ソフトの特典とかで品質を落としている場合があるので、確実性は無いですが、そこが大きいです。
今回は正規品をちゃんと知っていたのと、写真が正規品だったので勝ち確でした。
イレギュラーなことをせずにマニュアル通り進めた
途中何度か登場した「お見舞い申請」ですが、こちらは相手が返金に応じない場合の最終手段になります。
PayPayフリマは返金機能が無いため、相手が無視し続ければ自動で受け取り完了されてしまいます。
そのため、Yahooはこのお見舞い申請で同額のPayPayポイントを付与する仕組みがあります。
しかしこのPayPayポイントは実際のお金と違い、あくまでもPayPay利用でしか使えず、お見舞い申請も審査制なので100%の保証はありません。
特に抱き枕カバーなど、審査が難しいものは審査NGになる可能性が非常に高いです。
何より私としては、出品者が売上が入ることが何よりも許せなかったので、このお見舞い申請だけは避けたかった次第になります。
実際並行して事務局にお問い合わせをしたのですが、抱き枕カバーの海賊版かどうかの判断は事務局では判断が付かないという返事が返ってきていました。
(いやいや、これはマジで問題よ…)
海賊品を引っかからないための予防策
これはやはり商品説明をしっかり読むことだと思います。
どこで頒布されたものなのか?
生地は何なのか?
サイズはいくつなのか?
安くて誰かに買われてしまうかも!っと焦る気持ちは分かりますが、きちんと読んだ上で売り切れた場合は、それは他の購入者が先に説明文を読んでいただけの話なので、説明文を読んだことを後悔しないでください。
抱き枕カバーの知見が浅く、正規品かどうか判別付かない場合は、必ず質問してください。
「これは正規品ですか?」この質問だけで十分です。
これほぼ100%引っかかりません。
それでも海賊品を掴まされた時の対応
多くのフリマサイトではキャンセル申請というものがあるので、それを使うのが良いと思います。
しかし注意が必要なのがPayPayフリマです。
PayPayフリマには返品返金機能がありません。
相手側がゴネたり、無視していると一定期間が経過し、自動的に受け取り完了になってしまいます。
そのため、出品者ときちんと話し合う必要があります。
これはシステムの穴だと思っているので、ここを防がないと悪質な業者が増えてくると思っています。
そのため、面倒とかに思わず、本当に騙された場合は警察へ被害届を出すことを視野に入れておいてください。
私としてもブログのネタにもなると思っていたので、本気で被害届出すつもりでいたんですが、良くも悪くも相手が日和って頂いたおかげで速攻返金されました。
返品する時に相手に個人情報を伝えるのが怖い方
悪質な業者は一定数グレーな存在(半グレ等)であるケースがあると思います。
そのため電話番号や、住所が相手に伝わるのが怖い方も多いのではないでしょうか。
そんな方は是非クロネコヤマトのクロネコメンバーズに登録しておいてください。
クロネコメンバーズ経由で配送する場合、差出人を匿名にすることが出来ます。
PayPayフリマの返金で相手に銀行口座と一緒に名前を伝えるのが怖い方は、PayPayIDを交換してPayPayで返金してもらうと良いかと思います。
さすがにPayPayフリマ使っていてPayPayを使っていないケースは殆どないと思うので…
抱き枕カバーの海賊版率は実際どうなのか
一度ガッツリ調べてみたことがあるんですが、だいたい3割ぐらいが海賊版が混じっているのが現状になります。
しかし、この3割もかなり前後するものと思っていて、何故なら悪質な業者は出品する時は一気に出品するので、一時的にこの割合が増大します。
下手すると検索上位100件中、半分が偽物のケースもあったりしますし、1割ぐらいしか無い場合もあったりします。
最近でも海賊版の抱き枕カバーで逮捕者が出ていましたが、これは何も最近初めて逮捕者が出たわけではなく、10年ぐらい前から時々逮捕者が出ています。
手軽に利益が出ることもあり、実は全く減ることもなく、相変わらず多い現状があります。
海賊版抱き枕カバーを販売する人の特徴
早期出荷、受取評価を急かしてくる
兎に角すぐに飛べるようにほぼ即日発送されますし、取引連絡で受取評価は速やかにすることを促してきます。
高圧的な応対をする
クレームを受けることが日常的なため、無駄に毅然とした態度で応対してきます。
返信時に怒涛のラッシュで反論してきます。
まぁ威圧で相手を怯ませることで押し切ろうとしているんでしょうね。
温厚な海賊版抱き枕カバーを販売する業者もいる
主にヤフオクやメルカリで見受けられますが、品質表示をしっかり載せて、最初から海賊版だと分かるように販売している業者もいます。
これは買う側も正規品は高くて買えないから、安くて海賊版でも良いやと思っている客層をターゲットにしているケースになります。
こういった業者は、うっかり本物だと思って間違えて購入した人に対しては、すぐさま返金対応を実施しています。
まぁ返金対応後は、購入者をブロックして、ブロックリストを仲間内で共有するので、二次被害を防止するという謎の結束力があります(笑
購入層の意識の違い
最近Z世代を中心に「他人からの評価」という視点であるアンケートが実施されました。
そうするとブランド名に対して「とても重要」または「どちらかと言えば重要」と答える人が62%占める一方、海賊品に何故手を出すのかというのに対しては「正規品より簡単に手に入る」が58%、「金銭的にコピー品しか購入できない」が57%、「購入することで模倣品販売業者の生計の役に立てる」が57%という結果が出ております。
また海賊品に手を出すことを「絶対良くない」または「多分良くない」と答えるのは僅か48%で、「状況による」が39%、「全く問題ない」「多分問題ない」と解答する人は13%と、半数近くは海賊品をある程度認める結果が出ているため、こうしたビジネスが成り立ちつつあるのが現状かと思います。
法的な壁
まず商業商品と同人商品で分けて考えないといけません。
商業商品の海賊版は著作権に引っかかるため、よくニュースで捕まる人達は、商業商品を模倣して大量に販売している業者かと思います。
同人商品の海賊版は難しく、そもそも同人サークルは二次創作のガイドラインに則って制作しており、余程オリジナルを模倣しない限りは製作者(版権元)から訴えられることは無いのですが、この同人サークルのイラストをパクっているため、法的対処が厄介な事になっています。
もし製作者からこの海賊品を販売している人を訴える場合、じゃあ元のイラストとなっている同人サークルの人はどうなのか?という問題や、同人サークルの人が訴えようにもオリジナルの著作権は製作者側にあります。
正規の抱き枕カバーの販売者に伝えたいこと
フリマサイト運営者向けの伝えたいこととして、海賊版との見分け方が難しいのは分かると思いますが、本気でこの手の問題に向き合わないとフリマサイト全体のイメージ損失に繋がると思いますので、きちんとシステムの整備をすると良いと思います。
売上利益にばかり目が行きがちで、こういった不正対策は後手後手な気がしています。
そして正規品を販売しているメーカーも、在庫抱えるリスクは分かりますが、後からでも購入できる仕組みを作らないと、あまりにも購入者に対してぞんざいな扱いをしていますよ。
同人サークルの人はさすがに難しいと思うので、後からファンになった人向けに、次のコミケとかで一定数の受注数条件でも良いので再販しても良いかもですね。
如何でしたでしょうか?
今回は恐らくは相手が日本人だったからうまく行ったところもあると思っています。
これが中国人と言った外国人であったり、半グレ的な組織だった場合は、ここまでうまくいかなかったと思います。
そのため、フリマサイトで抱き枕カバーを購入する際は十分にご注意ください。
出品者の評価コメントもかなり大事になってくるかと思います。
そして匿名配送かつ、可能な限り自分の個人情報は伝えない形で利用すると良いと思います。
ちなみに手元に残った海賊版の抱き枕カバーは、筆者が責任持って「萌えるゴミ」もとい「燃えるゴミ」で処分致しました。
まぁ返品を希望されませんでしたしね。
ご清覧ありがとうございました。