ヤンデレはまだまだ歴史の浅いジャンルかと思います。
言葉こそはツンデレとほぼ同時期に誕生していますが、モデルケースがまだ少ないのと、定義が混濁としている時期なので、代表的なキャラクターの紹介は控えようと思います。
ヤンデレとは
ヤンデレとは広義には精神的に病んだ状態にあるキャラクターの愛情表現の様子を示すもので、狭義では好意を持ったキャラクターに対して好意が強すぎるあまり精神的に病んだ状態になることです。
そうなんです、この辺りが現在定義の混濁を起こしている理由かと思います。
病んでいる人が愛したのか?愛して病んでしまったのか?
裏切られて狂気に走るのがヤンデレなのか?憎しみに変わったらヤンデレなのか?
この辺りは人によって解釈は異なって来ると思いますが、あと5~6年もすればもう少し定義付けが明確に出来そうな気がしています。
因みに、心理学的には「クレランボー症候群」や「境界性パーソナリティ障害」とも言われていますね。
ヤンデレとメンヘラの違い
ヤンデレとメンヘラの大きな違いは2点あると思っています。
1つ目は自分中心なのか、相手中心なのかです。
ヤンデレは相手が中心のため、想い人に近づく障害となりうるものを徹底的に排除します。
一方メンヘラは自分が中心のため、常に自分に愛情を向けて貰うことに意識するため、相手を振り向かせるために自傷行為に及んだりします。
2つ目はやはり狂気さかと思います。
恐らくはメンヘラであっても、行動の狂気さが格段にあがると本来メンヘラであってもヤンデレ扱いになる気がします。
恐らくこの辺の認識の混同が、定義の混濁の生み出しているのでは無いかと思っています。
ヤンデレの特徴は
ヤンデレは常に相手を見ています。
そのためストーカー紛いな事は勿論、恋人になったとしてその行動は変わらず、過剰にアイテムを束縛したり、連絡の頻度も上がる傾向にあります。
その分相手への尽くし度は非常に高いと思います。
巷ではヤンデレの種類を語っている記事を見るのですが、中には「これはメンヘラの部類なのでは?」という部分も多く、正直現在ヤンデレの定義があまり定まりきっていない現状から、今回は当ブログでは省こうと思っています。
ヤンデレの言葉の誕生は
これは言わずもがなと言った感じだと思いますが、きっかけは「School Days」で、当時ツンデレと言う言葉が確立して数年が経過した時期もあり、2ちゃんねるでは「病んでいるから病みデレだな」と言う流れからヤンデレと言う言葉が誕生しました。
(ちょっと登場人物に言葉がいるのでややこしいですね…)
当時は「病みヒロイン」「闇ヒロイン」「病んドル」「病イン」「ヒドイン」とか色々な単語が飛び交いましたが、最終的にヤンデレで落ち着いたと言った感じですね。
ヤンデレの元祖は
ヤンデレという言葉が誕生する前からヤンデレに相当するキャラクターは実は沢山存在します。
それこそ日本神話の「イザナミ」やギリシャ神話の「メディア」も今で言うヤンデレに相当すると思います。
もう少し進んだ時代であれば「源氏物語」の「六条御息所」も中々のヤンデレっぷりになります。
一方漫画、アニメ、ゲームの世界で言えば、90年代アダルトゲームでは鬱ENDになる作品が多いこともありヤンデレに近しいキャラクターは多かったと思います。
その中でも元祖と思われるのは、1992年に発売された「狂った果実」の「月島美夏」かと思います。
月島美夏は、主人公を独占するため、主人公に自分を殺しに来るように仕向けるために主人公周辺の女性を次々と殺害していくという当時ヤンデレというジャンルが無い時代に、中々のヤンデレっぷりでしたね。
紛らわしいヤンデレキャラクター
ヤンデレキャラクターとして時折登場してくるものの、これは違うよねっていうキャラクターを挙げたいと思います。
まだ定義は混濁して居る時期ですが、筆者なりの見解を含めて紹介していきます。
「ドラゴンボール」の「ランチ」
普段は青髪のおっとりした性格のランチは、くしゃみをすると金髪になり機関銃で周りに乱射する狂気っぷりです。
このキャラクターはヤンデレと言うよりかは、ただの二重人格のため、ヤンデレの定義からは大きく外れていると思います。
ちなみに本キャラクターは途中から一切登場しなくなりましたが、障碍者団体から作品に対してクレームがあったようですね。
まぁ銃でバンバン人を撃つので気に入らなかったのかもしれませんね。
「ジョジョの奇妙な冒険」の「山岸由花子」
1992年に「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」に登場する女子高生の「山岸由花子」は、容姿端麗、成績優秀、家事全般もこなす完璧な美少女なのですが、プッツン持ちで相手が自分の思い通りに行動しないとキレてしまうタイプです。
こちらは単にヒステリックなのでは・・・と言う見方も取れるためヤンデレと判断するには少し難しいです。
「無限のリヴァイアス」の「ファイナ・S・篠崎」
1999年10月頃に公開されていた鬱SFロボットアニメに登場してくる「ファイナ・S・篠崎」ですね。
本アニメでは大変情けない少年(主人公=昴治)が、唯一想いを寄せるヒロインの篠崎に対して、情けない理由で振るのですが、それに納得しない彼女は「過去にするしかない」と言う発想の元、昴治を殺そうとするのですよね。
しかし、これに関しては思想や宗教的な考えのため、ヤンデレとは少し違うというが筆者の見解です。
世間で言われているヤンデレ元祖について
口説いようですがヤンデレの定義が混濁している状況のため、後々覆る可能性はあると思いますが、世間で語られている様々なヤンデレ元祖のキャラクターについて説明したいと思います。
「ひぐらしのなく頃に」の「竜宮レナ」
ヤンデレの代表格として2002年8月に発売した「ひぐらしのなく頃に」が挙げられることがありますが、こちらはヤンデレの定義からは少し離れていると思っています。
何故かと言うとまず「デレ」ではないのと、病んでいるの意味が異なるところですね。
風土病に掛かって凶行に走っているので、まぁある意味ヤンデレ(病んでれ)かもしれませんが・・・
(詩音はヤンデレかと思いますけどね)
当時は狂い系ヒロインって呼ばれていましたね。
「School Days」の「桂言葉」
恐らくは多くの人が思い描くのはこのキャラではないかと思います。
2005年4月に発売した「School Days」の「桂言葉」はまさにヤンデレの典型かと思います。
中々腐った主人公の伊藤誠に対して一途に想っているものの、前頭葉の機能が欠落している誠は次々に周りの女性を手篭めにしていくことで、言葉はヤンデレ化していきましたね。
その様子は後にヤンデレクイーンとも呼ばれており、一部のファンからは言葉様と呼ばれていますね。
ただ、ヤンデレという言葉を作ったきっかけではありますが、元祖とは違うかなと思っています。
「銀色(ぎんいろ)」の「佐々井夕奈」
2000年8月に発売した銀色(ぎんいろ)も出てくる「佐々井夕奈」は主人公への恋慕と妹の朝奈への嫉妬から狂気に堕ちていく姿はまさにヤンデレ中のヤンデレです。
しかし当時はヤンデレと言う言葉もなければ、そういったジャンルも馴染みがなかったため、ファンの間ではネタ扱いされていたのが残念でしたね。
一部ではヤンデレの始祖と呼ばれていますが、時期的に「狂った果実」の後であるため、元祖と言うには違うかなと思っています。
S県月宮事件
さぁヤンデレを語る上で外せないのは「S県月宮」だと思っています。
「お兄ちゃんどいて!そいつ殺せない!」
というセリフを知っている人も多いのでは無いでしょうか?
2002年に当時あまりオンラインゲームが発展していない時代、ラグナロクオンラインというオンラインゲームのサービスが始まり、当時多くのインターネットユーザーがプレイしておりました。
その当時2ちゃんねるで、とある投稿者(以降374)がある中学生(以降デムパ)とラグナロクオンラインで出会い、ストーカーされており、その事を同じゲームで遊んでいる友達の女性(以降アコ)に相談したことがきっかけの事件になります。
※2ちゃんねるの投稿なので、実在するニュースではありません
※アコとは名前ではなく、ラグナロクの職業のアコライトの略
住所も特定され、警察に連絡する一悶着が起きます。
そういった一騒動の後に、アコから「アイツとオフ会するより私としない?」という嬉しい提案を貰い、374とアコが実際に会うことになります。
その出会った先の居酒屋に警棒を持ったデムパが登場し、襲撃に来た際に放ったセリフが「お兄ちゃんどいて!そいつ殺せない!」というものだったのです。
当時はインターネットの普及が急激に進んだ時期もあり、そういった耐性が無い人にとっては衝撃的な出来事となり、盛大な釣りではあるものの物凄い話題となったわけです。
あ、ちなみに何でS県月宮かというと、ラグナロク内のキャラクター名が「月宮あゆ」であったのと、彼女が住む場所が374のT県の上の県であったからです。
良くも悪くもこの逸話が盛り上がり、後にヤンデレキャラクター誕生に繋がったのではないかと筆者は思っています。
ヤンデレの魅力とは
ヤンデレの唯一の魅力はやはり何と言っても絶対的な愛情が得られる点では無いかと思います。
そして凶行に及ぶきっかけも相手を想いすぎるが故に起こることであり、全ては相手のために尽くしているところではないかと思います。
またツンデレ同様に、一見大人しかったり、猟奇的な行動を起こすような雰囲気がない中で一変するので、そのギャップに惹かれるのではないでしょうか。
如何でしたでしょうか。
思ったより長い記事になってしまいました。
ヤンデレはまだ定義としては不安定な時期のため、読者によっては解釈が異なるかと思いますが、現段階での筆者の見解を語ってみました。
もう少し語りたかったのですが、長くなりすぎるなぁと思ったのと、2部構成にするには1話辺りのボリューム感不足のため、思い切って1話に収めました。
ご清覧ありがとうございました。