声優を既にされている方は周知の事実かもしれませんが、これから声優を目指す上で声優ってどれだけ大変なのかや、声優として成功するためにはどうしたら良いか、長年声優を追いかけてきた1ファンとしての意見が語れたら良いなと思っています。
前置き
さて、いつもならまずは「声優とは」的なくだりから記事が始まりますが、さすがにこの記事を読むような人に改めて、そんな説明は要りませんよね?
なので少し前置きを語らせてもらえたらと思っています。
今回の記事は「声優全般」のお話ではなく、「アニメ声優」「ゲーム声優」と言ったオタクに偏ったテーマで語りたいと思っています。
そのため、映画ドラマの吹き替え、テレビやCMナレーション、交通機関のナビゲーターなどの声優を目指す人には少し逸れる話題になると思いますので、その点をご留意頂ければ幸いです。
声優の現状
昨今、最優を目指す人はどれぐらい居ると思いますか?
今やその数は30万人に登ると言われています。
かの有名な声優グランプリでも1500人以上紹介されており、ここ20年で4倍に増加したと言われております。
それでもまだ載っているなら良い方で、売れていない声優は1万人に登ると言われています。
また声優は特に免許があるわけではないため、「今日から声優です」と名乗れば誰でも声優になれるため、自称声優というのも沢山溢れております。
そう、まさに声優は今飽和状態にあるのが現状となります。
声優になるまでの道のり
皆様が声優になるまでの道のりは、どんな姿を想像しますか?
養成所に通い、事務所に所属し、アニメの枠役を演じ、経験を積んだ後に主役を貰える、と考える人もいるのではないでしょうか?
残念ながらそんな順風満帆にプロになれる方はいません。
いませんと断言すると良くないですね…
1万人に数人はいるかもしれませんね。
勿論流れとしては間違っていませんが、多くの人が中々仕事が貰えず、養成所卒業後もアルバイトしながらボイトレやワークショップに通い、様々なオーディションを受けているのが現実となります。
しかもそれはプロになってからも続きます。
あるベテラン声優が仰ってましたが、毎日が就職活動と言うように、一生涯安定は訪れない業界となります。
声優になれたらどれぐらいお金貰えるの?
残念ながらピンきりです。
ただ、日本俳優連合が定めるランクに基づいた報酬は約束されます。
ノーランク:言い値での交渉
ジュニア:1.5万円
ランク15:1.5万円(1000円ずつ上がる)
ランク45:4.5万
アニメ30分の1本あたりのギャラはおおよそこの料金となります。
安く感じる方も居ると思いますが、本来この制度は声優を安く買い叩かれるの守るために出来た制度なのです。
ただ制度を作った時期が古いため、今の時代に少しそぐわないのかもしれません。
勿論別途、二次使用に辺り転用料率が加算されたり、いわゆる掛け算はあるので、実際ここまで少なくはなかったりします。
ジュニアは声優を宣伝を兼ねているので安いのは致し方無いかと思います。
またこのランクも上がるかどうかは自己申告のため、年齢経験がそれなりに低くてもランクが下の場合があります。
夢がないと思われがちですが、ベテランで知名度の高い声優の場合、ノーランクで高く設定することも出来ます。
声優だけで食べていけるの?
残念ながら9割の人は食べていけません。
多くの人はアルバイトしながら自分で営業活動していたり、シェアハウスで少しでも家賃を浮かせながら共同生活したり、夢半ばで声優の道を諦めた方も沢山います。
プロ声優を目指すだけで養成所で年間110万近く掛かりますし、プロ声優になった後もボイトレやワークショップの参加で費用が掛かります。
ワークショップなんて行かなくても良いのでは?と思う方もいるかもしれませんが、ワークショップは音響監督が開くため、現場カントクがプロ向けでやってくれているので、売れている声優も参加しています。
どういう人が成功するの?
昔の声優で言えば独特な声質であったり、カワボ、イケボであれば良かったかもしれません。
とは言え演技力不要かと言うとそうではなく、昔は今のようにデジタル化の時代では無く一発撮りが基本なので、今と違った緊張感もあり、そもそも各々がプロ意識高く演技力にも磨きを掛けていたと思います。
7色の声を使い分けると言う話もよく聞く話ですが、やはり成功する人の特徴は以下のような人かと思います。
急がばまわれができる人
声優として劇的に成長できるコツなんてものは実は無いんです。
手法やテクニックは勿論あるのですが、それで簡単にこなすコツは無いのです。
ただひたむきにできるようになるまで練習し続ける人が大事かと思います。
受け身ではない人
声優という職業は「職人」なのです。
サラリーマンや公務員のように予め用意されていた仕事をこなすわけではなく、キャラクターに命を吹き込むという難しい仕事なのです。
そのため、成長するためにどうすれば良いかを、模索し、アドバイスを聞き、自身で研究できる人でないと恐らくは成功しないと思います。
ひたすら練習できる人
これはもう声優という職業に限ったことではないですね。
どこまでプライベートを犠牲にするかにもよりますが、声優という仕事をどこまで本気に取り組むかということですね。
例えば待ちに待った新作のゲームが発売したら、ありとあらゆることを差し置いてもやり込むのと同様に、声優というお仕事に対してどこまで人生を犠牲にするかが明暗を分けると思います。
作品、人物をリスペクトできる人
脇役だから・・・と思う方もいますが、作品に置いて不要なキャラクターは存在しません。
脇役がいてこそ主役が輝き、良い作品が出来ます。
脇役をチョイ役として認識する人はそもそも声優に向かないかもしれません。
また先輩声優に対して呼び捨てする人は、ファンから抜け出せて居ないので声優に向かないと思います。
結局ルックスなんでしょ?
これに関してはそんな事はないです!とは言い切れないです。
更に言うと年齢に於いても、重要な要素であることは否定出来ません。
これは声優業界の関係者はあまり表では言いませんが、昨今は声優はアイドル化しているため、歌って踊れるアイドルのような存在は重要な要素になります。
(業界関係者が言うと炎上するでしょうが、私のような個人ブログなら多分大丈夫)
安く買い叩かれ、1歳でも若い人を採用し、大量生産の既製品のように使い捨てられる!なんて言われたりもしますが、残念ながらどんなに才能豊かで努力をしていても、運が絡むのは現実としてあると思います。
でもそれはこの溢れんばかりの飽和状態にある声優のなり手の数を考えれば、割と当然の話しかと思います。
これは声優に限ったことではなく、芸人であっても、女優であっても、歌手であっても同じです。
ただ、戦う道が無いわけではないです。
そんな中でも自分自身に付加価値を高める努力は怠ってはなりません。
楽器が弾けるとか、歌は誰にも負けないとか、何かしらの特技を身に付けていればアニメ声優以外の道は開けます。
エロゲ声優について
一昔前だと、生活のために名義を変えてエロゲ声優をすることで稼いでいた声優の存在もいました。
自身のキャリアプラン次第とは思いますが、名義を変えて出演するのは一つの選択肢としてありだと思います。
100回のレッスンより1回の実践というように、エロゲ声優は様々な役を演じるのと、何よりアニメよりも遥かにセリフが多いため物凄い経験値が高められます。
ギャラも大変良く、1ワードごとにお金が発生するため、生活費を稼ぐのには大変助かります。
ちなみにエロゲ声優ではないですが、ゲーム声優の方が稼げると言っていたベテラン声優の方もいらっしゃいましたね。
ただ、アイルドル声優を目指している人は絶対にオススメはしません。
これは後々文春砲の餌食になるので、自身のキャリアプランと照らし合わせながら考えてみると良いです。
しかし、気を付けてほしいのがエロゲ声優と一括で伝えましたが、エロゲ声優には「美少女ゲーム声優」と「抜きゲー声優」の2種類あり、今話しているエロゲ声優は「美少女ゲーム声優」の方をここでは指します。
参考:
「抜きゲー声優」の方に入ってしまうと、エロゲ声優から抜け出せなくなるのでお気をつけください。
とは言え、一昔前と違い、エロゲーが好きで最初からエロゲ声優を目指す人もいるので、一般の声優を目指している人には徐々に縁のない話になっているかもしれませんね。
プロの声優になれなかったが声優は続けたい
ありとあらゆる手を尽くしたけどアニメ声優で食べていくのは難しく、でも声のお仕事を続けていきたい…!という方は同人声優やVTuberの道もあります。
声優の事務所が若手に宣伝を兼ねてVTuberに出させるケースがあるので、そういった事務所が推し出す人たちとも戦っていかないといけないですが、フリーランスとして活躍する人も多々います。
ただまぁ事務所が新人を推すためにVTuberに出す場合、人気が出るとVTuber事務所とギャラで揉めて強制引退…みたいなケースは多々あるので勝手に消えていく場合もありますけどね。
しかし、フリーランスになると営業活動もご自身になるため、険しい道となります。
こちらの道の戦い方については、そろそろこの記事も長くなってきたので、また別の機会で紹介できたらなと思います。
如何でしたでしょうか。
長い間、声優を追いかけてきて良い面、悪い面など様々な事を見てきた1ファンが、外から見た時の考えを語ってみました。
最終的にはレッスンを受ける際の講師や、先輩声優の話を聞くのが一番ですが、現場では中々言え無さそうな事も少し振れてみました。
しかし、恐らくこれは間違っていないだろうなって思うのが、声優を一般企業のサラリーマンと一緒にしてはいけないと言う点ですね。
声優とは職人なのです。
勿論ある程度の才能はあると思いますが、これだけ飽和している業界だと才能ある人も山のように目指してきます。
最終的に差が付くのは自分の人生をどこまで犠牲に出来るかです。
貴重な10代20代の人生を捧げる事になります。
声優目指すかどうかどうしよう…と悩んでいる人は辞めておいたほうが良いと思います。
自分にはこれしか道が無いんだと思うぐらいの気持ちじゃないと、後々後悔することになると思います。
私の友達にも夢半ばで折れた人が多数いました。
っと、ここまで厳しい事を書きましたが、筆者は声優が大好きですし、応援したいと思っています。
これから本気で声優目指す人は、筆者が全力応援致しますので、コメント欄やTwitterのリプ欄で教えて下さいね。
ご清覧ありがとうございました。