A-1 Pictures
「A-1 Pictures」はソニーグループ傘下の株式会社ANIPLEXの子会社になります。
2005年にアニメの安定化を目指すために設立され、「Aniplex」「Animation」「Asagaya」の3つの言葉と「アニメーションで1番になりたい」というのが名前の由来になっています。
代表取締役社長を務める植田益朗氏はサンライズ出身で、「シティーハンター」「機動戦士Vガンダム」のプロデューサーを歴任した人物になります。
2018年に事業の一部を会社分割して、「CloverWorks」を設立しました。
ファミリー向けのアニメーション制作を中心にしており、従業員数は167名ほどになり、阿佐ヶ谷スタジオ、制作4部スタジオ、朝日生命ビルスタジオ、福岡スタジオの4つのスタジオを構えています。
代表作
代表作は「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「ソードアート・オンライン」「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」「冴えない彼女の育てかた」「かぐや様は告らせたい」「リコリス・リコイル」「Engage Kiss」と言った多くの超有名作品を世に創出しています。
特徴
有名なタイトルを多く生み出している裏では、ヒットしていない作品も多く存在するため、数撃ちゃ当たれ的な意見もたまに散見されます。
しかし、当初目指していた方針通り、作画、演出共に高水準のクオリティを維持しています。
2014年にブラック企業大賞に選ばれるという不名誉の称号を得るものの、同時にそれだけ世間に注目されるほど大きな会社になっていると言って間違いないかと思います。
完全オリジナル作品のリコリス・リコイルは恐らくここ数年、いやここ10年で覇権とも呼ばれるほど素晴らしい作品になっています。
アニメ制作会社の四天王の一つと言っても過言ではないかと思います。
CloverWorks
「CloverWorks」は2018年に「A-1 Pictures」から分社化されたアニメ制作会社になります。
分社化の背景としてはA-1 Picturesの規模が拡大したことが影響しています。
かつてA-1 Picturesは高円寺スタジオと阿佐ヶ谷スタジオの2つのスタジオを有しておりましたが、スタジオ毎にクリエーターの個性や、製作工程の違いが顕著に現れ始め、各スタジオが独立して小回りを効かせるという狙いから、高円寺スタジオを分社化することになったそうです。
従業員は130名ほどで、ロゴである四葉には、「アニプレックス、A-1 Pictures、CloverWorksが3枚の葉であり、最後の1枚が視聴者の皆さん」という意味が込められているようです。
代表作
代表作は「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」「SPY×FAMILY」「ぼっち・ざ・ろっく!」と、歴史は浅いものの、圧倒的な存在感を示しています。
特徴
元は「A-1 Pictures」なので、大差は無く、「A-1 Pictures」同様に作画、演出共に高水準のクオリティをキープしております。
キャラクターデザイン、メカニックデザインや演出は他の追随を許さないと言わんばかりに高品質で、設立から4年弱とは思えないほどのスピード感で成長及び、世間の認知度を上げていっていると思います。
「ぼっち・ざ・ろっく!」ではぼっちちゃんが覚醒するシーンであったり、廣井きくりのライブシーンなど、演出が神掛かっていることが視聴者から高い評価を受けています。
京都アニメーション
「京都アニメーション」は最早言わずもがなかもしれませんが、1985年に設立された当時としては珍しい地方(京都)で立ち上がったアニメ制作会社になります。
地方拠点と言う事もあり、都内の制作会社と違い、自社で完結出来るような体制が整っています。
社員は188名ほどで、この業界では異例の「固定給与制」であったり、年2回の賞与、原則週休二日制、有給休暇、育児・介護休暇、社会保険、年金にも当然加入しており、その他にも福利厚生が充実しており、託児設備や社宅を完備していることもあり、スタッフの出身地は北は北海道、南は九州まで幅広く存在しています。
2019年7月には放火による火災で多くの犠牲者を出した痛ましい事件は、皆様の記憶にも新しいかと思います。
代表作
代表作は「AIR」「涼宮ハルヒの憂鬱」「Kanon」「らき☆すた」「けいおん!」「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」と基本的にハズレを引かない優秀な制作会社になります。
特徴
美しく、丁寧な作画や繊細な心理描写を特徴とした、質の高い作品を制作しているだけあって、国内に留まらず海外からとても高い評価を得ています。
京アニの特徴としては原作の再現度が非常に忠実であり、その上でサプライズ的な要素を追加するところがあります。
この原作の忠実な点が、作品への安心感であったり人気に繋がっており、前評判もよく、基本外れることがありません。
2006年に放送された「涼宮ハルヒの憂鬱」や、2009年に放送された「けいおん!」では社会現象とも呼ばれるほどの大ブームを引き起こし、京アニの名はアニメファンのみならず一般層にも知られるようになりました。
P.A.WORKS
「P.A.WORKS」は2000年にタツノコプロ出身の堀川憲司氏が、富山県に越中動画本舗株式会社を設立し、その後商号変更したアニメ制作会社になります。
富山での設立の経緯は、堀川憲司氏が家族との約束で富山に戻る際に、地元にアニメ制作会社が無かったため、自らスタジオを立ち上げたとのことです。
京アニ同様、地方でのアニメ制作会社になります。
スタッフは98名ほどで、福利厚生の一環でアニメーター対象に寮を整備していますが、動画マンを3年以上続けていると、机代という謎の制度で6000円が給与から天引される問題が顕になっていましたね。
(動画マンは試験を3回クリアすれば原画マンになれるらしいです)
代表作
代表作は「true tears」「Angel Beats!」「SHIROBAKO」「ウマ娘 プリティーダービー」などがあげられます。
特徴
P.A.WORKSといえば青春モノ、SF要素のある学園モノ、お仕事のテーマなどが多い印象でしょうか。
オリジナルアニメも多く、「お仕事シリーズ」や「働く女の子シリーズ」と呼ばれるシリーズがあったり、「北陸青春3部作」と呼ばれるシリーズがあったりします。
その中でも「SHIROBAKO」と言ったアニメ業界をテーマにした作品は、例を余り見ないため、多くの方が注目したのでは無いでしょうか。
作画の良さは勿論素晴らしいのですが、特筆すべき点は背景や建物の描写が実在する風景を綿密に再現したものが多いため、聖地巡礼としての楽しみ方もあります。
ボンズ
「ボンズ」は元サンライズのスタッフが1998年に独立して立ち上げたアニメ制作会社になります。
英語表記・原作者表記は「BONES」になり、設立当初8名ほどの骨のような会社に肉を付けていこうという思いから命名したそうです。
現在は社員数は87名ほどになります。
設立当初はサンライズ第2スタジオに間借りする形で、サンライズの仕事を請け負っていましたが、2000年に初の自社元請け作品となる「機巧奇傳ヒヲウ戦記」を担当することとなります。
代表作
代表作は「鋼の錬金術師」「僕のヒーローアカデミア」「交響詩篇エウレカセブン」などがあげられます。
特徴
サンライズ同様ロボット系であったり、アクションアニメが多い印象でしょうか。
基本的に作画は良く、原作付きのアニメは概ねクオリティに問題は無いのですが、クリエーター主導の制作環境ということもあり、やや作風がクリエイターの想いが反映されがちで、賛否が分かれることがあります。
特にオリジナル作品についてはストーリー面で賛否両論といったところでしょうか。
しかしボンズの魅力としてはアクションなどが綿密に描かれており、この作画で多くの視聴者を惹きつけていると思います。
ufotable
「ufotable(ユーフォーテーブル)」は東京ムービー新社に勤めていた近藤光氏が2000年に設立したアニメ制作会社になります。
設立当初4名程度で始まりましたが、現在は219名となっており、事業内容もアニメーションの企画・制作及び版権管理、シリーズ構成、シナリオ制作、TV番組・PVなど実写映像企画・制作、CG制作だけでなく、キャラクターグッズの企画・制作・販売、更にはカフェや映画館の経営、声優の育成など、アニメーション制作以外の事業も展開するほどの大きさになっています。
アニメに殊更厳しいと定評のある四国の徳島にスタジオの設立、及び映画館「ufotable cinema」をオープンしました。
四国にアニメ会社が設立されたのは初めてで、徳島出身の社長だからこそ成せた出来事かと思います。
雇用に関しても全スタッフ正社員として雇用し、定時出勤・退社、健康管理の徹底など、この業界にしては労働環境はかなり整っており、また育成にも力を入れている会社になります。
代表作
代表作は「Fate/Zero」「鬼滅の刃」と設立年からすると代表作は少なめですが、太い作品であったり、その他の事業などで収益を支えていると言った感じでしょうか。
特徴
前述でも軽く説明しましたが、「ufotable」は撮影・CGを担当するデジタル映像部や、企画や制作進行・シナリオ制作を担当する制作部など、映像制作に携わるほぼすべてのパートを社内で完結しているのが大きな特徴であり、「Fate/Zero」や「鬼滅の刃」を見た人は分かると思いますが、あの圧倒的な作画の美しさや、アクションパートの綿密さは国内に留まらず、海外でも高く評価されています。
「鬼滅の刃」の作者は「一生懸命漫画を描いててよかった」と大絶賛するほどでした。
オリジナル作品はやや脚本に難ありと評価を受けることもありますが、アニメ作画はTVアニメであっても劇場版並のクオリティーを生み出す素晴らしい会社になります。
シャフト
「シャフト」は虫プロダクション出身の若尾博司氏が、仕上げスタジオとして1975年に「有限会社シャフト」を立ち上げたものになります。
1980年前半にグロス請けを開始し、仕上げスタジオからアニメーション制作全般を請け負う制作会社に転換しました。
1987年の「夢から、さめない」が初の自社元請制作作品を出し、1995年の『十二戦支 爆烈エトレンジャー』が初の自社企画・元請制作によるテレビシリーズが放送されました。
2015年には有限会社から株式会社に改組し、現在社員数は100名ほどになります。
納期ぶっちぎりの常習犯としても知られる会社で、ネット配信開始時間が大幅に遅延したり、TV放映延期など、割りとあり得ない事態を度々引き起こしていたりもします。
単純にキャパ以上の作品数を抱えているのが原因かと思いますが、良くも悪くも唯一無二的な独特な雰囲気の作風のおかげか、熱狂的なファンを持っていることもあり、通常なら干されてもおかしくない状況ですが、何とかまかり通っている状況になっています。
代表作
代表作は「化物語」「魔法少女まどか☆マギカ」「RWBY 氷雪帝国」と、歴史が長いので代表作が多すぎて書ききれないですが、この他にも有名タイトルを多く創出しています。
特徴
シャフトの特徴としては、何と言っても芸術性の高いOP・EDがしばしば話題になります。
演出スタッフの強い個性が発揮されており、「魔法少女まどか☆マギカ」では独特な雰囲気が多くの視聴者を魅了しました。
エンドカードに有名な絵師を起用することが多いのも特徴です。
本制作会社の演出で、アゴを限界まで上げて、背面から挑発的に見下ろす「シャフト角度」は皆様もよくご存知かと思います。
シャフトでは度々このような描写はあったのですが、化物語で戦場ヶ原ひたぎが見せた異様な首の曲がった演出で一気に注目を浴びて、現在では「シャフト角」「シャフ角」「シャフ度」なんて呼ばれていたりしますね。
マッドハウス
「マッドハウス」は1972年10月に、虫プロダクションの従業員だった丸山正雄氏、出崎統氏、りんたろう氏、川尻善昭氏らが、同社の経営危機をきっかけに独立して設立したアニメ制作会社になります。
社名の由来は昔千葉県にあった「松戸ハウス」という名前のお店のパクリだったそうです。
社員数は70名ほどになります。
マッドハウスは前回の記事でも紹介しましたが、劣悪な労働環境で有名な所になります。
長時間労働は勿論なこと、残業代味は払いだったこともあり、新宿労働基準監督署から是正勧告を受けたこともあり、その他にも制作現場ではパワハラも発生しており、社員はその後団体交渉で労働現場の改善を要求したが、全て会社からは拒否されたそうです。
代表作
代表作は「カードキャプターさくら」「織田信奈の野望」「オーバーロード」などがあり、歴史が長く、作品数も膨大なものになっています。
特徴
マッドハウスは歴史が長く、多くの作品を世に出していることもあり安定感は抜群なものになります。
そしてもう一つの特徴としては芸術性の高さでは無いかと思います。
「魔法の演出」「中華風の架空の国」など、独自つの演出や作画が芸術性を高めております。
その他にも原作の再現度が高く、特に「カードキャプターさくら」では、原作を忠実に再現しており、話題になったこともあり、安心してみることが出来るため、多くの固定ファンを持っています。
その他にもラノベ原作のアニメも多く制作していますが、いずれも原作ファンから高い評価を受けています。
如何でしたでしょうか?
本当は他にも紹介したいアニメ制作会社は一杯あったのですが、尺の都合より省略しました。
機会があれば別の記事で紹介したいですね。
皆様はどこのアニメ制作会社が好きですか?
良かったらコメント欄もしくは、Twitterのリプ欄で教えて下さいね。
ご清覧ありがとうございました。
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